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リニューアルパークの街が息づく
〜バラの花3300株が人を呼び、人を幸せにする〜

都市環境計画研究所 大矢京子

 

 靱公園東園は2006年世界バラ会議大阪大会開催に向けてリニューアルされました。靱公園は戦後、焼土の大阪の街に進駐軍の小型飛行機発着場として土地が接収され、昭和30年に失業対策事業として公園整備が行われた。50年以上経た公園と街の風景・人々の暮らしは変化し、市民やビジネスマンの憩いの場として親しまれ、テニスコートでスポーツに興じる人々、絵画や写真撮影をしている人、野鳥観察をする人、毎年秋に行われる大阪彫刻家会議による“花と彫刻展”の開催と、芸術・文化・スポーツの拠点となって歴史を積み重ねてきている。

 バラ園は大阪市の中でも最も古いバラ園で、利用者にとっては歴史や思い出の空間となっているが、近年はバラの開花時期の以外は静かな落着いた空間ではあるが閑散とし、ホームレスのブルーテントがバラ園の中にあり、子どもや女性一人では近寄りがたい状況となっていた。また周辺のレストランやビルも公園に背を向け公園との境界は、薄暗く換気扇の排気やゴミ置場状態となっていた。公園リニューアルすることにより人の流れが変わり、周辺へ影響を及ぼし人を呼び、緑に囲まれたバラ園に入った瞬間151種3300株のバラが感動を与え、楽しむ人々でいっぱいの公園になった。公園が息づくとともに街が息づきさらに周辺に広がることを期待している。

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リニューアル前:左右対称のフランス式庭園に、88種2500株のバラが植えられていましたが、ほとんど人がいない。 リニューアル後: お天気のいい日には子ども達は水遊び、大人も子どもも笑顔でいっぱい。
 
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世界バラ会議の期間中、“花と彫刻展”を開催。バラと彫刻を楽しむ人々が、語り合う。 バラの花に負けない美しい着物姿の女性が3人。おしゃれをして訪れる公園になった。時には結婚式を終えたカップルがここで記念撮影。
 
     
     大矢京子(おおや きょうこ)
     和歌山県生まれ、ランドスケープアーキテクト。1981年より都市環境計画研究所に勤務、美作大学非常勤講師。
     受賞:兵庫県東条町“ゆめのくにこうえん”2002年兵庫県人間サイズのまちづくり賞・2004年ランドスケープコンサルタンツ協会優秀賞、兵庫県西宮名塩“ナシオン創造の森”2006年ランドスケープコンサルタンツ協会優秀賞。
 
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