都市観光の新しい形
左三角
前に 上三角目次へ 三角印次へ

都市観光の新しい形〜「まち」を育てる

ごっくん馬路村のまちづくり

(株)URサポート 山本千維子

 

 

「ごっくん馬路村」

画像5501
ごっくん馬路村
 
 「ごっくん馬路村」という飲料水がある。ゆずを使った爽やかな飲み物で、名前の通りごっくんごっくんと飲むことができる。

 ごっくん馬路村が作られている高知県馬路村は、高知市街地から車で約2時間の山間部に位置し、人口は約1,200人。昔は林業で栄えたが、林業の衰退とともに村も衰退。村唯一の特産物ゆずに活路を託し、様々な商品を産み出している。

 

特産物ゆず商品

 この「ごっくん馬路村」のほか、ぽん酢、ゆずジャム、ゆずゼリー、食料品から入浴剤、その他グッズなどたくさんの種類がある。

 私がこの馬路村の商品に出会ったのは、最初は高知に旅した人のお土産でもらった「ごっくん馬路村」。これがあまりにおいしくて印象に残っており、その後人づてに「馬路村」のぽん酢がおいしいと聞き、「馬路村」という言葉がインプットされた。販売しているところを探したが、「ごっくん」は大阪で扱っているところをみつけられず、インターネットで取り寄せるようになった。

 

村を発信

 現在ホームページは2サイト。1つは「ごっくん」など、商品を購入することができる農業協同組合のサイト、もう1つは村の施設などを紹介する村役場のサイト。

 役割の違う2つのサイトだが、大きく共通している部分がある。それは、本来の「商品」や「行事」を紹介するだけでなく、村の「日常」=どんなところなのか、が丁寧に紹介されていることだ。そこには「村を大切に思っている」という気持ちと、「サイトの向こう側にいる人たちにちゃんと伝えたい」という気持ちが溢れており、見ている人に伝わってくる。

 人は誰かが大切にしているものにはちゃんと気付き、やはり大切にするものである。商品を買うだけだったりするのに、そのサイトを一生懸命見てしまう。

 また村の施設やイベントも増えており、温泉や特産物直売所、観光案内所などの整備や、マラソン大会、そして「全国まちづくり大交流会」なども催され、村自体のハード・ソフト整備も進められ、人口約1,200人の村に、観光客は年間6万人と言われている。

 

愛情とブランド化

 馬路村のまちづくりの成功の理由としては、

 ・ごっくん馬路村など、作り出される商品が美味い。

   →→馬路村を知るきっかけ。村への興味。

 ・HPなどで村の日常=どんなところか、が丁寧に紹介されている。

   →→村への想いを共有できる。愛情が湧く。

 ・事業展開・商品の多様さ。(温泉、交流会など)

   →→継続して村に関わるチャンスがある。

 といったことが言えると思われる。

 村まるごとをアピールすることで、「馬路村」というブランド化がなされ、そのブランドを愛するファンを定着させることに成功している。

 

特別村民制度

画像5502
特別住民票が贈られる
 
 村への想いを共有できるアイテムの1つとして、特別村民制度がある。

 ホームページより申し込むことができるこの制度は、その特典の1つに「村長室で村長とごっくん馬路村が飲める」というものがあり、村の一員になったような気分になれるとともに、1度足を運んでみるか、という気持ちにさせられる。私もその一人として、四国に旅した際、高知より往復4時間かけてごっくんをいただいてきた。

 「なんにもない村」であるが、行ってみると「なんだか嬉しくなる村」である。

 これは山あいの小さな村の取組みであるが、大切なこと《自分たちの地域に愛情をもって、継続的に取り組み、広く人々と分かち合う》という点では、都市も含めあらゆる地域のまちづくりに共通すると思われる。

左三角前に 上三角目次へ 三角印次へ


このページへのご意見はJUDI

(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai

JUDIホームページへ
学芸出版社ホームページへ