京都の景観はよくなるか!?
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フォーラム宣言

 

司会

 ありがとうございました。では引き続きフォーラム宣言の提案に移ります。

 宣言の前に実は鳴海先生にコメントを頂く予定をしておりましたが、本日急用のためにご欠席されております。ただ、これから行います宣言には、鳴海先生のご意見も反映されております事をお伝えしておきたいと思います。

 それではフォーラム宣言にうつりますので、よろしくお願いします。

藤本

 皆さんにお配りした紫色の冊子の中に挟んでおります。「第17回都市環境デザインフォーラム関西の提言」でございます。


第17回都市環境デザインフォーラム関西の提言

2008年10月25日
都市環境デザイン会議・関西ブロック(フォーラム参加者一同)

 京都市の新景観政策が施行されて1年がたった。建築の高さ規制、眺望景観・借景の保全、屋外広告物の規制に関しては、多くの市民の共感を得て定着した感があるが、建物等のデザインに関しては、「デザイン基準」「運営の手法」について様々な課題が指摘されている。

 京都市景観計画にうたわれた「多様な空間から構成される景観形成」「都市の活力を生み出す景観形成」「行政、市民、事業者等のパートナーシップによる景観形成」を実現し、景観政策を進化させるために、本フォーラムに集った人々の大多数の賛同を得て、次の2点を提言する。

〈1。地域から積み上げる「景観まちづくり」の実践〉
 地域主体の景観まちづくりを目指し、景観的にまとまりのある地区ごとの事情、意思を反映できる運用方法を模索する。たとえば
 ・特例認定が手軽に申請できるように工夫し、現行のデザイン基準に合わなくても「良いデザイン」の実現を容易にし、その認定時の議論と、認定された事例を積み上げ、その情報を活かす。

 ・可能な地域(学区等)で、専門家派遣など従来の諸制度も活用し、身近にある町並み景観との整合性という視点をも大切にしながら、地域社会が「景観計画」「デザイン基準」を再検討できるように支援する。

〈2。デザイン情報を共有する〉
 デザインの前提となる地区の景観に関する情報を、市民、施主、事業者、設計者が容易に利用できるように整備する。たとえば
 ・地区ごとに、歴史や地形、まちづくり情報、景観のまとまりごとに何を大切にしたいか、景観計画やデザイン基準の狙いなどを分かりやすく伝える資料を整備する。

 ・条令施行後の建物で努力の見られるものを「景観への協力賞」などで顕彰し、公表する。

 

 以上の2点をここ数年のうちに実施するために、現行の景観デザイン協議会や景観整備機構(京都市景観・まちづくりセンター)など既存のパートナーシップ組織を中心に、より広い事業者や市民の知恵と力を発揮できる場を育ててゆくべきである。

 以上を提言するとともに、我々も微力ながら尽力する事をここに宣言する。


司会

 以上、フォーラム提言の提案でございます。この提案に対して賛同頂ける方は拍手をお願いします。(会場拍手)。

藤本

 ありがとうございました。2月から多くの委員のメンバーが参加して下さいました。今日は新潟など、遠くから沢山来て頂きました。これからご案内がありますけれども、後ほど懇親会もご用意しておりますので、ご参加頂いて、また意見を交わしたいと思います。

司会

 どうもありがとうございました。大多数のご賛同を得られたということで、正式な提言とさせて頂きます。それでは、これを持ちまして、第17回都市環境デザインフォーラム「京都の景観はよくなるか!?デザイン基準から考える」を閉会させて頂きます。ありがとうございました。(会場拍手)。

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