小浦:
いろんなまとめ方があって良いと思います。
景観は一つのもので変わるし、一つのものでは変わらないというところがあって、まとまりのなかに景観があるというのが私の考えです。
全体像があって、それぞれがどんな役割を果たしているのかが、見えると良いなあ。
まちは変化するものです。守る、新しいものをつくる、両方が必要です。
大事なのは変化がつながってゆくこと。そこに景観の価値があるのだと思います。
そういうことが描かれていると良いと思います。
大西(市民):
景観を良くしていくことは、ある程度負担が増えていくことではないか。
人口減少のなかで、財源も減っていく。そのなかで景観を良くすることが持続するような仕組みが必要だ。
経済的な持続性、負担する側の視点も必要では?。
佐々木葉二:
70年頃に湖西で団地開発をしていたびわ湖汽船の社長室を訪れたことがある。
そんなに立派な調度の部屋ではなかったが、窓からびわ湖の全景が見える素晴らしい部屋だった。
しかし社長さんは「これではメシを食えへん」と言った。景観で儲かるのは京都だけだと。
ところが80年代になって民間が公団に追いつけ、追い抜けと集合住宅に参画してきた。技術面では公団にとても勝てないので、彼らが目を付けたのが景観。ランドスケープはそれに応えられたのだろうか。
そういう仕事は大手ではなく、私のような個人事務所にきた。
本当に細かい要求があった。
夜間照明も同じようなことがあった。昔は夜間照明の賞なんてもらっても何にもならなかった。ところが賞をもらった人が手がけた住宅だというと、価値が上がるという流れが出てきた。
2章は、学会論文のようで、こういう流れが読みとれない。
3章「景観づくり」をめぐって
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