都市環境デザインの仕事の展開
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5章「育てるまちづくり」をめぐって

 

鳴海

 お願いしたのは我われの商売がどうなっていくかという議論ではない。

 どういう仕事が必要で、それを社会的に認めさせることが出来るかを議論してほしかった。

堀口

 今、ボランティアみたいなことをプロがやらされている。

 このままではプロがいなくなる。ボランティア崩れしかいなくなる。

 これからプロになる人を育てないとあかん、ということを言いたかった。

吉野

 【※パワポのチャートがないとこの話しは見えない(堀口さんにお尋ね中)】。

 事業型についてご提案させてもらった吉野です。

 ソフト部分だけでコンサルが生きていくのは今は無理。

 関連商品があってなんとかやっている。

 あるいは新人とかインターシップで入ってきた学生を、1年間、勉強のためにまちづくりに入ってもらう。

 しかし指導するのも大変だし、会社の名刺をもって地元に入ったものが、これはボランティアですからといっていい加減なことをしたら 、 会社の信用に関わる。最後の落し処が都市施設なのか、都市計画制度に乗った計画策定業務なのかにも拠るが、最初の部分や業務後の 地元団体のサポートでお金が出ないのが、我々を経営的に苦しめている。

 ちょっと新しい動きとして、今までのように施設の設計になってなんぼ、という世界ではなく、某自治体では公的拠点施設の予備調査や基本計画、実施計画の段階まで5〜6年も継続的に運営やソフトの調査費をつけてくれた例がある。最近でもそうした案件があったが、指名競争の段階で計画を担当する事務所は建築の設計等には参加できない。両方はさせないというよう明記されていた。箱物ではそうした動きがあるものの、ハードに結びつかない「まちづくり」ではJUDIのメンバーの参加動機が弱いのではないか。

久保

 形から入っていくことに拘っているが、ジェイコブス的なところから入っていくのも良いのではないか。

 活動の範囲が広がっている。

 まちづくりでハードと関係がないことをやっている人は、それで良いと思う。ハードをやっていないからといって卑下する必要はない。

鳴海

 しかし実際の空間を相手にするのがJDUIメンバーのコアではないか。

長町

 私は営業型。書いたものが夜間照明に入れられてしまったが、ライトアップの目的は本来、コミュニティの強化にある。

 参加してもらいながら作っていくと、プロだけでやっているのとは違ったものができる。

 ろうそくイベントは全国で200件もあり、照明デザイナーがなんらかの形で関わっている。

 そういうなかでハードにもっていくところの議論が詰められていないのでは?
松山

 私もものをつくるコンサル、つきつめればマスターアーキテクトのようになる人と、もの作りに結びつかないコンサルやプロがいて、それぞれ、それで良いと思う。

前田

 5章は、ハードをやりたいから、あるいはハードでやっていたコンサルがこれからも仕事が欲しいから、まちづくりに関わっています、みたいに聞こえる。

小林

 私はまちづくりコンサルの草分けの1人。

 2005年にやめて、いまは大学の先生もやっているが、NPOまちづくり神戸研究所が本業。

 その立場から言えば、NPOをなめとんちゃうか、と思う。

 自分の職業の範囲で語ろうとするから、おかしくなる。

 極論をすれば、すべての仕事はNPOを介して行うべきだ。

堀口

 幅広い概念のまちづくりはいっぱいある。

 その中からJUDIの仕事になるところを切り取るとこうなるということだ。

 我われの仕事はニーズがなくなっていく分野かもしれない。

 土木の分野で言えば、メンテナンスは残るだろうが、新たにつくる仕事は減る。

 そのなかで、なくなることばかり書いていても良いのか?
 これから伸びる分野がいるのでは。

河本

 私も殆ど関連商品の仕事に携わってきた。

 この20年を考えると、どんどん仕事が変わってきた。自分自身がかかわってきた仕事を振り返ってみると、一つには法制度の変化が大きかったように思う。その時々の時代のニーズに対応してクライアントのニーズが変わり、結果としてさまざま仕事に係わることになった。このような視点にたつと、並べ方も、我々をとりまく環境や特に法制度の変化等と関連付けて時系列的に整理されてはどうか<
 またITの発展も大きい。ワークスタ Cルが大きくかわり、若い頃には考えられなかった仕事ができる。組織がなくても、いろんな人とネットワークして仕事ができるようになった。ワークスタイルの変化という側面も加えて過去・未来をとらえられてはどうか。

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