パネラーの皆さんから、 皆さんの考えていらっしゃる都心居住、 あるいは都市に住むということについてお話をいただきました。
いろいろなご意見が出てきたと思います。
このフォーラムを進めるにあたって、 実行委員会で出てきた議論とも重なる部分がありました。
今お聞きしていまして、 一つには都市の中の日常者とか日常ということが出てきました。
都市は住む者にとっても、 働く者にとっても日常でありながら、 住む所としても、 働く所としても生活者からは日常の環境と捉えられていないところがあります。
住むこと、 働くことを都市の日常としてみる目をもって都市居住を考えていくことで、 都市の日常環境の意味が変わるのではないかと思います。
それは最後に岡さんもおっしゃっていましたが、 働き方が住み方と密接に関わることで、 両方から、 都市の日常の意味が出て来るのではないかと思いました。
もう一つは住む環境ということで、 NEXT 21はどちらかというと、 肯定的な良い結果がモニターされつつあるというお話でした。
その一方で近隣との、 あるいは街と自立的に成立している敷地内環境がこれからどのように関わっていくかということをお聞かせ願えたらと思います。
安原さんからは、 都住創のこれまでを通して、 20年間何にも変わらなかったというお話があったかと思います。
変わるということも、 これが良いか悪いかなかなか難しいところですが…。
駐車場になったり、 マンションが建ったりとまちの形に変化はあっても、 何も良くならない。
しかし街の中で住み続けている人がいて、 そういった人が続けている暮らしの快適性を良くするという意味での変化は求められています。
例えば密集市街地の場合は、 これまで一緒に住んできた住環境を考えたときに暮らしの快適性の向上には何をどう変えていくか、 あるいは何を残していくのか。
もう少し変わらないことの意味とか、 変えることの意味をやはり考えていかなければならないのではないかと思います。
そういうときに実際にまちを変えていくことは、 一人一人の個人がやっていくことだと、 高口さんが最初におっしゃっていたのではないかと思います。
一人一人から始める。
今の都市の中でたとえ周りに車が轟々と走っていようと何であろうと、 一人一人が暮らしていくということの積み重ね、 あるいは一人一人が守っていくことの積み重ねが、 ある意味で都市の日常環境につながっていくのではないかと思いました。
と言いますのも、 被災地では今、 建つことの問題と建たない問題があると思っています。
阪神間は良好な住宅地と言われています。
自力再建が進み、 個々の家は建ち上がってはきているのですが、 その結果見えてきた環境は被災前とは変化しつつあり、 建つことによる市街地再生の課題がでてきている。
日常性ということ、 あるいは個々の一つ一つのものから積み重ねていくということが生活の環境につながることは、 都心であってもどこであっても一緒だという気もするわけです。
ただ都市だから、 あるいは都心だからこそできるということがあるように思えます。
働くことであったりとか、 店を使いあっていることとか、 そういった中で生まれてくる時間をどう使っていくかということとか、 そういったもっと複合的な機能の可能性が、 今お聞きしていることと関わってくるように思いました。
お聞かせいただいた論点を広げていくという意味で、 いくつか私自身感じたことを申し上げたわけですが、 その辺も踏まえて、 ご意見をお聞かせいただけたらと思います。
高口さんの方からよろしいですか。