NEXT 21は都心にあるのですが、 どちらかというとそこに初めて住む方ばかりなので既存の都市基盤を利用するのみという、 おんぶに抱っこ型のことが多いというのは、 私もそうだと思います。
都心の利便性、 既存の都市基盤の機能を享受して自分が楽しむだけで、 そこに何も残していかないっというのは、 強奪型というか「申し訳ありません」といった感じでちょっとお答ができません。
ただNEXT 21のハードといたしましては、 地域に少し貢献できるようなハードを何か残そうということで、 都心の居住空間の中に緑地を少し設けたり、 屋上庭園を設けたりしています。
立体街路も設けました。
立体街路と申しますと空中を通っているブリッジのようなものを意識される方が多いのですが、 従来の共用廊下なんです。
その共用廊下を街路空間として、 居住空間としていかに再生していくかということに心を砕いた事例でもあります。
ここで、 スライドをご紹介させていただいてもよろしいでしょうか。
以上でスライドは終わりです。
利便性が高くて非常に便利な住空間であれば、 人の暮らしそのもののコミュニケーションとか、 緑地の部分は諦めるというような考え方があるんだと思います。
しかしNEXT 21の生活を見ていて、 私たちは都心で何も諦めることはないのではないかと感じています。
かなり苦労しましたが、 緑が多くなりますし、 地域のコミュニケーションも出てくると思います。
最近、 周辺住民の方400名の方にNEXT 21に対するアンケート調査を行いました。
いろいろ面白い意見があって、 みんながあの建物に興味を持ってくれています。
結構緑地に対する好意的な意見が多く、 ただ隣の住民と向かいの住民だけは枯れ葉が飛んでくるということで、 評価が低かったと、 そういう結果が出てきております。
ちょっとお答えにはなりませんでしたが以上です。
小浦さん
ありがとうございました。
いかがですか高口さん。
そういうお話が出ておりますが。
今お聞きしてて思ったのはサラリーマンが住まうためには街はいらないかもしれないんです。
住宅があって緑があればいいかもしれない。
でもやっぱりお寺が生きていくためには、 あるいは店が生きていくためには街がいるっていうか、 人が住む街がいる。
その辺で街に働きかけていく発想も違ってくるんではないかなと思ったのですがいかがですか。
高口さん
今日はあんまりたくさんのスタンスでいうと話がややこしくなるので、 ひたすら同じことばかりいうのですが、 例えばマンションの売り出しのチラシを見ると「周りに一心寺があります。
四天王寺があります。
生國魂神社もあります」そういうのばっかりです。
それを条件として入居してくるわけですよ。
ところがそんな人は私どもはいらない。
ただただ散歩に来て、 遅くやってきて「もう閉まったのか」て文句言ってみたり、 なんかそういうことばっかりで。
そういう着目点の偏りということについてここにこれだけのプロの方が集まっておられるとしたら、 「もっと何かいろいろなこと考えないと、 うまいこといかへんよ」ということを地元住民として一言っとこうと、 それだけなんです。
小浦さん
ありがとうございました。
そういう意味では住まい方も含めて20年間なさってきた安原さんの方から今のお二方のご意見をお聞きしてはいかがでしょうか。