SessionC1 参加型デザインの実践(レポート&トーク)
兵庫県村岡町
住民とのまちおこし
(兵庫県村岡町教育委員会) 中村典男
(都市環境計画研究所) 大矢京子
村岡町の様子 |
平成2年から福岡地区のシンボル空間となっている八幡山公園の整備計画が提案され、 ムラ・マチ起こしの拠点づくりが始まったが、 計画を進めるに当たっては約1年間、 地区住民の方々の賛同と協力を得るために何度も意見交換会や説明会を開催し漸く実現の運びとなった。
八幡山には、 地区の氏神様を奉る神社と、 5〜6世紀の古墳が5基、 杉木立の中に樹齢数百年のモミノキやオオモミジの巨木が現存し、 場所のもつ神秘性とあいまって歴史の重みと近寄り難い感動を得た。 ここでは偽物は決して通用しないこと、 住民の協力を得ながら、 この場を通して但馬地域の人々の交流から文化創出の拠点づくりを目指した。 地場の石を用い、 国内外のアーティストや村岡にかかわりのある様々な人々と交流をはかりながら公園づくりを行った。
約4年間で公園は一応の完成を見た、 その後毎年八幡山公園の石舞台で芸術・音楽祭が開催され、 文化 ・芸術の発信が行われている。 まちおこしは一時的な花火で終わらせるのでなく、 5年・10年と継続して行くことにより子供達に受け継がれ、 新しい町の文化となり、 歴史となって行く事を願っている。
神秘の森に“畏敬”を込めて
三者協働の公園づくりからまちおこしへ
公園は、 つかい手の地域住民の様々な交流と支援・応援を得、 事業を推進する行政と、 つくり手の作家や技術者・職人達の協働によってつくられていった。 時には、 設計者であるランドスケープデザイナーと作家達との造形性や機能・構造・管理運営などで意見のくい違いもあり、 そのことで多くの時間を費やし議論を交わす事もあった。 しかし結果として三者の意思と想いの共有化によって文化交流から創出の場である「創造の丘」は、 完成した。
地区の人達が用意して餅つきを外国の作家達に体験させてくれた。
彫刻家から指導を得て石と格闘する子供達
町民の思いを託した陶板が、 町民の協力を得て“野焼きイベント”を開催
毎年氏子達により、 神事が行われる古墳の丘。
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