「世代間倫理」はこの問題に時間的な広がりを与えるものです。 人間は自らの快適性を求めて開発を進めてきたわけですが、 次の世代に我々よりも劣った環境を引き継がせて良いのかという問題です。 今、 我々はほぼ確実に現在よりも人間の生存に適さない環境を次の世代に残そうとしているわけです。 それに対して我々は倫理的な責任を持っているという指摘です。
もう一つは「環境倫理」です。 これは空間的な広がりを与えるものと言ってもいいと思います。 先ほどの日高先生のお話では、 動物界は個の利益・欲望で動いているということでした。 人類だけが利他的に動くというのは、 自然の摂理からするとかえっておかしいのかもしれませんが、 こんな事を人間が言い出したのは、 その程度のことまで考えないと他の生物が消滅してしまう時期に、 人類がきているからだと言えます。
私は、 地球温暖化防止は次の世代まで視野に入れた倫理だと思っていましたが、 最近の情報を見ておりますと、 我々の世代のうちに地球に大きな変化が出てきそうです。 足元に火がついているような感じがいたします。
「世代間倫理」と「環境倫理」
これらに関連して倫理的な考え方が提示されています。 一つは「世代間倫理」であり、 もう一つは「環境倫理」です。
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