環境共生型都市デザインの世界
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『環境』の概念と『共生』の概念

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図1 環境の諸相と相互関係
 今日は環境と共生がテーマですが、 両方の概念とも漠然としています。 そこで図1に環境の諸相を大きく整理してみました。 環境にはいろんなフェーズがありますが、 地球環境系が我々の全ての環境を取り巻いています。 その中に自然環境系があり、 さらに都市環境系があって、 多くの場合その中に生活環境系があるという構造になっていると思います。

 ただし生活環境系には都市環境系から外れた部分も当然あります。 その生活環境系は、 快適環境系、 機能環境系、 生存環境系の三つに分けて考えられると思います。 また、 人間が関わる生活環境系に対して、 生物に関わる環境として生息環境系があります。

 この七つの区分で環境を改めて確認して考えてください。

 また共生については、 おそらく三種類の意味合いがあると思います。

 一つは、 シムバイオシスとしての共生。 シムバイオシスは元々生物学の言葉です。 言ってみれば相互依存的に存在するということで、 もちろん
これは寄生という意味も含みます。

 もう一つは共同、 和合です。 これは調和的な生存とか存在。 三番目は共存。 これは独立的で相互不可侵的な二つの主体を前提としています。

 私はシムバイオシスという意味での人と自然の共生は、 取り上げるべき問題にはならないだろうと思います。 おそらく共和的共生、 共存的共生のどちらかしかないと思っています。

 こういう概念をもとにして、 都市における環境共生にはどういう問題があって、 それが都市基盤とどう関わるかについて、 堀口さんの話に沿って進めたいと思います。

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