環境共生型都市デザインの世界
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環境域を都市計画にどう取り入れるか

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図8 多核格子構造のイメージ
 それでは、 現在の都市計画では、 これをどう考えているか、 です。

 図は都市計画の上位計画で、 近畿圏の第五次整備計画に示された多核格子構造のイメージです。 ここでは近畿圏は東京のように放射環状ではなく、 グリッド型であるとしています。 グリッド型の編み目の中にいろんな都市がそれなりに発展していて、 お互いが交通網でネットワークされているというイメージです。

 こういう構造と、 先程の多段階の環境域というシステムをどのように組み合わせるかが、 都市計画や地域計画のこれからの課題だと思います。

 関西も、 都市の規模は安定していて、 これ以上大きくはならないという状況ですから、 今までの高度成長期の都市計画とは考え方を変えなければなりません。 30年前に市街化区域と市街化調整区域を一応区分しました。 この区分をどう評価するかという問題は残っていますが、 30年間調整区域を守ってきたということは、 一定の評価を得たということです。

 ただ、 いろんな問題があり、 今度の都市計画法の改正の問題もあります。 線引きの内外でどういうふうに土地利用を再構成していくかがこれからの課題です。 その場合に、 それぞれの地域に環境域という考え方を入れていくことが、 一つのポイントだと思います。

 また、 これからの時代はIT革命、 情報化が進みますから、 関東の一極集中よりも関西のグリッドパターンの方がデジタル構造のようで向いているかもしれません。 私はこれはこれでいいと思っています。 ただ、 これは先ほど言ったように、 環境との問題で少し摩擦を起こすかもしれません。 そこをどうやって修復していくかということです。

 そのためには、 私は環境域を組み入れた関西大都市圏計画、 あるいは大都市圏環境域計画という計画がだんだん浸透していくように進めていくのがいいんじゃないかと思います。

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