環境共生型都市デザインの世界
左三角
前に 上三角目次へ 三角印次へ

関西も関東も扇状地地形

画像do002
図6 関西の人口集中地区
 関西の人口集中地区を示した図です。 関西の人口は1,700万人です。 黒いところは標高100mの山地を表しています。 琵琶湖の盆地、 京都の盆地、 奈良の盆地、 河内湖の盆地、 広い意味で大阪湾を囲む盆地があり、 そこに小さな急流河川がつくる扇状地による盆地があって、 複合した世界をつくっています。

 小さな河川で急流であるということは治水がしやすいということです。 そこにため池を組み合わせると、 稲作の基本となる水を確保できました。 ですから、 5〜7世紀に近畿が日本で唯一文明が栄えたところとなったのは、 多様な盆地世界があったからだと思います。 扇状地ごとにそれを支配する王がいて、 古墳をつくっています。 あえて言えば、 扇状地ごとに古墳があると言えるぐらいです。 ただ最後の王様は、 盆地という複雑な地形に、 条里制というシステムを導入しています。

画像do003
図7 関東の人口集中地区
 関東のパターンは放射環状型の一極集中で、 人口は3,400万人です。

 関東平野にも昔は大東京湾があり、 扇状地が接していた群馬県や栃木県には古墳が多く、 早くから開けていたところです。 しかし、 大東京湾に富士山とか浅間山の噴火による火山灰がつもり、 それが海の底でテーブル状に磨かれて、 隆起して関東平野になりました。

 増田先生は小さな起伏が沢山あると言われましたが、 関東平野はあえて言えば、 テーブルクロスにちょっとしわが寄っているだけで、 基本的にはテーブルです。 しかし世界的に見れば、 関西も関東もあまり変わりません。 関東平野は広いように見えますが、 私の考えでは、 基本的にはどちらも扇状地地形です。 日本の地形の特徴は扇状地地形で、 それが日本の文明、 稲作の文明をつくってきたのです。 日本の国土は複雑な形をした盆地世界を構成しており、 それが増田先生の言われる大地形の緑地で区切られています。

左三角前に 上三角目次へ 三角印次へ


このページへのご意見はJUDI

(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai

JUDIホームページへ
学芸出版社ホームページへ