そういう角度で街を見ると、 谷町が集積してきた技術こそマーケット・ストックではないかと思えるんです。 そうした技術を今日的に生かすまちづくりを考えれば、 少なくとも店がつぶれることはないんじゃないでしょうか。 その上で新しい情報を発信できるまちづくりをやろうと提案しているところです。
こんな話をすると、 道修町の人はみんな目を輝かせて聞いてくれます。 ただ問題は「うちとこがリーダーになるのはしんどい」と必ず言われることですね。
時間になりましたので、 これで話を終わります。
司会:
経済、 文化、 技術が一体となったストックをなぜ生かせないのかというご指摘でした。
ここまで、 3人の方にストックについてお話しいただきました。 ただ、 今ある都市がそのままストックとして環境共生に寄与できるかというと、 そんな単純な話ではありません。 では我々はどのように都市を作り、 それをストックにできるのか。 そのきっかけをこれから後藤忍先生にお話ししていただきます。
マーケット・ストックとは
もうひとつ事例を紹介すると、 谷町には男物の既製服や作業服を作れるメーカーが集中しています。 これは、 戦前の軍の被服廠の技術がそれ以前からあった谷町の洋服屋街にプラスして受け継がれているんです。 ですから男物のファッション出発点として街ぐるみで作っているのは世界でここしかないんです。
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