環境共生型都市デザインの世界
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ストックとフローをどう捉えるか

後藤

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図1 テーマについて
 私は今、 「循環複合体」研究といって循環型社会に向けてどのような取り組みをしていけばいいのについて研究室のプロジェクトとして研究しています。 その中で、 藤田壮が担当しておりますのは、 都市の建築物や都市構造をどのように循環型にしていくかということです。 今日は、 藤田が所用のため参れませんので、 私が代わって報告させていただきます。

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図2 循環型複合体研究におけるストックとフローの捉え方
 循環型社会に向けての取り組みの中で、 ストックとフローをどう捉えるかについてですが、 まずフローは都市の営みを支えるために消費される物質、 エネルギーとそれに伴って発生する排出・廃棄物と捉えることが出来ます。 厳密にはマテリアルフローとして捉えています。

 一方、 ストックは、 フローを使って都市に蓄積された施設や物質、 資本です。 また、 それだけでなく環境配慮型の街区構成や都市構造なども都市のストックだと考えています。 なぜなら同じ水準のサービスを提供するにしても、 環境効率の高い都市ストックシステムとそうではないシステムが存在すると考えられるからです。 いま多くあるのは、 環境効率の低いシステムですから、 それを環境効率の高いストックへと変えていく必要があります。

 さて、 フローとストックという概念は、 それぞれゼロになるものではありません。 ですから、 フローをできるだけコントロールしてストックになるものを増やしていくという戦略が必要だと考えています。 逆に言うと、 環境効率の高い都市ストックは、 システムとしてフローの制御が出来るものだという立場です。 そんなストックを都市に形成していくために、 部分的に改善していくタイプのものから一括更新するものまでの複数のシナリオを用意し、 効果的であるかどうかという視点から検討しています。

 ここでのストックとフローは、 物的システムの更新が中心なのですが、 その更新の効果とそれを支える組織的、 社会的システムの検討も必要と考えています。

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