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写真026は「富田団地」という団地の広場のリニューアルです。 これも30年くらい前にできた団地で、 小学校と駐車場にはさまれた、 ちょっとした広場があり、 ぼこぼこのコンクリート平板の道がありました。
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写真027が学校の入り口で、 校舎の壁面が非常に汚くなっております。 木造の校舎だったら古くても味わいが出るのですが、 コンクリートは汚れるだけです。 広場は学校の敷地ではなく、 都市基盤整備公団の敷地で、 なんとなく学校の前庭みたいな形で忘れられた広場です。 それを改修するにあたって環境教育をテーマにした広場を作ろうということになりました。
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改修後の写真です。 もともと2本の大きなケヤキがあり、 それが立派な門柱になっています。 石を置いたり、 枕木を置いたり、 先ほどのコンクリート平板を再利用して敷き直したものがあります。
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ここでは、 メダカやトンボのビオトープを作ることは難しいので「自分たちを取り巻く物質を五感で感じ、 物質の循環に思いを巡らせる」ということを狙いました。 そういう形で環境に興味を持ってもらおうというのが、 表立ったテーマです。 もうひとつの狙いは、 あまりにも校舎が無表情なので、 多彩な要素を持ち込んで、 道草して楽しめる空間にしようということです。 子供という「生き物」が生き生きと暮らせる「ビオトープ」を作ろうということです。
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枕木に植物を絡まらせて学校の入口を花で飾り、 緑のスクリーンをくぐり抜けて登校してもらおうというものです。
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浸透性の舗装とか、 雨水の行方とか、 廃材の再利用とか、 石や枕木などの素材の来歴について、 逐一、 説明板で説明しています。
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とりはずしたコンクリート平板を敷き直して、 あいだに芝生を植えて舗装にしました。 主動線には使いにくいので、 脇の方に使いました。 主動線は透水性のアスファルトです。 予算がないし、 アスファルトも正直な素材でいいのではないかと考えました。 また自然の石を感じてもらうため「この石は地中深くでマグマがゆっくりと固まってできた石です」といったことを説明板に書きました。 「一度この石を触って、 ざらざらした手ごたえを味わってください」といったことを書いています。 再利用したコンクリート平板も、 あと100年くらい経ったら石になるのではないかという感じがします。
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枕木は、 遠く東南アジアからやってきて、 その上を何台も電車が走り、 いまはこういう姿になっています。 流転とか来歴を感じさせる存在感があります。
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写真034の枕木の木組みは住民の方、 あるいは小学生が自由に使えるコミュニティ花壇として用意しました。
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砕石側溝です。 雨の水をここに流して浸透させます。 撤去したコンクリート平板を土留めとして再利用しています。
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写真036は京都市の「御幸町教会」です。 滋賀県とはゆかりの深いヴォーリスという明治時代の建築家が設計しました。 この建物は90年ぐらい経っており、 耐震性に問題があるため教会の創立100周年事業として耐震補強を行ないました。 それにあわせて私の友人の河合嗣生君が前庭をデザインしました。
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レンガ塀を撤去してオープンな一画を造りました。 レンガは取り外したものを再利用しています。 レンガも90年以上前に製造され、 それなりに由緒があるので大切にしましています。 車止めの笠石も、 レンガ柱に載っていた物を再利用しました。 敷石も一回はがしてから、 同じパターンで復元しました。
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道路際の側溝ぎりぎりに緑を植え込んで、 流れてきた雨を最終的にここで受け止めて浸透させ、 道と広場の接点を少しあいまいにして柔らかな印象にしようとしています。
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観音開きの扉の痕跡を残した敷石です。
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このザクロの木も移植したものです。 信者さんの中に、 子供の頃にこの樹に登ったというおじいちゃんがいたので、 それでは残そうということになりました。
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「循環型」で味わいを持った素材、 あるいは再利用することで味わいを深めるような素材のあり方についてお話をしてきたつもりです。 このような素材が、 私たちの日常に深い味わいを与えてくれる事を願うのですが、 逆に私たちの日常に、 当たり前のように転がっている事物を見つめなおす事で、 様々なインスピレーションが得られます。 この写真はたまたま宝塚で見つけた外構です。 かなり古い住宅地です。 側溝に草が生えいて、 生垣から道路にかけて緩やかな「緑のグラデーション」をなしています。 これは偶然そういう風になったのかも知れませんが、 こういう製品があってもいいのではないか、 意図的にそういう道の作り方をしてもいいのではないかと考えます。
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アップです。 玉石を埋めた側溝で、 やわらかでみずみすしい印象です。
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これは私の家の近くにある土塀で、 季節ごとに花が咲くので写真を撮っています。 この写真は初夏のものでフヨウの花が咲いています。 この土塀には瓦が埋まっています。 もともと家の屋根に使っていた瓦を、 再利用したものです。 土塀には雨水が染み込み潤いを持っているので、 このようにシダなども生えてくるわけです。 素材というか、 都市の細部ではありますが、 都市の風土や文化を反映していると思います。
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これがそのシダです。 屏風絵のように楽しめる土塀だと思います。 これらの事例のように、 何気ない日常の風景を再発見することから、 新しいデザインが生まれる可能性もあると思います。
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