環境共生というとすぐビオトープや多自然型河川などを思い描きますが、 それらも生活者との間に何かギャップがあるのではないかと思います。 そういうこともあり、 今回わたしは地域や土地を「浄化」する構想についてお話しできればと思います。
それは、 地域のことを考えるよりも先に、 まず自分の後始末をすることから考えるべきではないのかということです。 いわゆる生活排水や排泄物の問題です。 私が大学院にいた時にGKの栄久庵さんだったか西沢さんだったかに「デザインは掃除をすることで、 なにも作ることではない」といったニュアンスのことを聞いたように記憶しています。 ですからここでは掃除をするためのデザインとして、 どういうことがありうるのかについて、 お話しできればと思います。
前半は事例集にも掲載したエコトイレについてです。 後半は今回のフォーラムが滋賀県で行われますので琵琶湖との関連から、 ヨシを使った水質浄化のお話をできればと思います。 どちらもできるだけその場で処理をしてしまおうということを念頭において計画したものです。
初めに
今回のテーマである「環境共生と快適性」については、 快適でないと環境共生は定着しないだろうと思うのですが、 それではどうすればいいのか。 今いろいろな環境共生の試みがなされていますが、 かなり無理をしているように思います。 例えば少しくらい不便をしても構わないという空気があるわけです。 なかにはマニアックに、 あるいはストイックに、 省エネ生活をされている方がいらっしゃいます。 果たして都市生活者がみんなそんな生活ができるかというと難しい。 やはり快適で、 多くの人が共有できる仕組みでないと、 だめなのではないかと思います。
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