JUDI 10周年記念事業

第3回都市環境デザイン写真展


環境共生型都市デザインの世界


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開催のごあいさつ

 本年は、都市環境デザイン会議10周年を記念して、これに相応しいテーマ、「環境共生型都市デザインの世界」にて、フォトコンテストを開催いたしました。環境と共生する都市とは、一体どんなものなのか。出品者おのおのが自分の理論で、あるいは感性で切り取った「環境と共生する都市」を表現するヴィジュアルを集め、ならべることで、これをヒントにフォーラムの議論を深めることが目的で作品を募りました結果、すばらしい作品の数々がエントリーされました。ご多忙にもかかわらず、去年に引き続き、特別審査員をお引き受けくださいました、写真家今森光彦先生をはじめ、ご指導いただきました先生がた、関係各位のご協力に深く感謝申し上げます。
10周年記念大会委員長    鳴海邦碩
JUDIフォトコンテスト委員長 澤 一寛

講評 全体について

 今年もデザインのプロとして、視点のおもしろい作品が多かったです。  総じて新鮮で、さわやかな印象を与えてくれました。  広角の写真に加え、今年は一歩ふみ込んだ写真が多くみられ、写真のとらえ方に変化が出てきました。環境共生というテーマのやさしさが、ヒトを通じてかんじられました。

都市環境デザイン会議・審査員

井口勝文・江川直樹・澤 一寛・田中 一雄・土橋 正彦・鳴海 邦碩・森重和久・横川昇二
2000年11月3日JUDI10周年記念大会フォトコンテスト授賞式当日に、会場に集まった人びとの投票で十周年記念特別賞も選びました。


大阪会場のご案内

期間 11月9日(木)〜11月13日(月)
   10:00〜18:00
会場 INAX大阪ショールーム
    西区新町1−7−1 電話06−6539−3111


画像01 1 江川 直樹 〈入選〉
『至福の時』(ギリシャ ミコノス島)
画像02 2 江川 直樹
『森の中の踊り場』(中国 豊都)
画像03 3 江川 直樹 〈JUDI賞〉
『ぶどう棚の下』(中国 トルファン)
画像04 4 江川 直樹
『緑間の空中に棲む』(兵庫 今田町)
画像05 5 佐々木 葉二
『緑が骨格となる街』(芦屋川)
画像06 6 佐々木 葉二
『緑とともの生活』(ペンシルバニア)
フランクロイドライトの落水荘
画像07 7 川井 由寛
『「環境共生」って?』(マサチューセッツ州 ボストン)
「緑あふれる……」だけが環境共生ではないはずです。 子供たちにとっての「環境」をきちんと整えましょう
画像08 8 川井 由寛 〈優秀賞〉
『ウッドブリッジ』(カリフォルニア州 アーバイン)
「環境共生」って結局人間側の問題なんじゃないかなあ?
画像09 9 御代田 和弘
『河原のある都市の水景』(福島市)
あらゆる場所で都市化が進むこの時代の中で、 ほっと心の安らぎを感じるのは、 こうした水辺の風景である。
画像10 10 御代田 和弘 〈入選〉
『河原のある都市の水景』(福島市)
あらゆる場所で都市化が進むこの時代の中で、 ほっと心の安らぎを感じるのは、 こうした水辺の風景である。
画像11 11 松久 善樹
『小樽ナニコレ貿易に見る積年価値』(小樽市)
環境共生型都市デザインには、 時間的積層性の概念が不可欠。 小樽の歴史地区に見られる虚墟美の感傷性に注目。
画像12 12 斉藤 治夫
『洞爺湖畔より羊蹄山を』(北海道)
いまだ有珠山の噴煙はおさまらないが少しずつ観光客も戻り、 営業している茶店より羊蹄山を写す。 まだまだ温泉街の方には災害の爪あともあり、 自然との共生の難しさが見え隠れする。
画像13 13 前田 裕資
『ゴミの山に生きる1』(マニラ スモキーマウンテン)
無造作に捨てられたゴミから生活の糧を得る人々。 環境共生的とはいえ、 都市政策の失敗の象徴でもある。
画像14 14 前田 裕資
『ゴミの山に生きる2』(マニラ スモキーマウンテン)
とくに臭くもなく子供たちは明るかったが、 今年の崩落事故で200人以上が死亡。 閉鎖され有力な集積所を失ったマニラ市街に回収できなくなったゴミがあふれているという。
画像15 15 丸茂 弘幸 〈入選〉
『鳥』(ブラジリア)
「雲と鳥とチャペルと草と」
画像16 16 丸茂 弘幸
『花』(ベロオリゾンテ)
「ニーマイヤーにはイッペイの花がよく似合う」
画像17 17 難波 健
『カンボンアイルの子供達』(ブルネイ バンダル)
水上デッキで結ばれた海上集落に住む子供達のくったくない笑顔は、 明日の環境共生のまちをつくっていく希望の笑顔であった。
画像18 18 難波 健 〈今森光彦賞〉
『バンダルのオープンマーケット』(ブルネイ バンダル)
ニワトリ、 ウズラなどはボルネオの村から舟で首都バンダルに運ばれる。 新聞紙で封装された鳥は都市居住者の胃袋にはいっていく。

今森賞選評 東南アジアの市場は暖かさに包まれています。ブロイラーでない美味しそうなニワトリが売られてゆきます。オジサンの笑顔がとてもいいですね。日本にもこんな光景が残っていたらいいなと思わせるなごやかな一瞬をとらえた写真です。

画像19 19 鳴海 邦碩 〈会場投票No1 特別賞〉
『建物と共生する巨樹』(バンドン)
巨樹は聖性をおびており、 切りたおされることもなく、 人々はそこに建物を建てた。
画像20 20 鳴海 邦碩 〈入選〉
『街にやってたゲル(幕舎)』(ウランバトール)
遊牧の民が都市にやってきた。 空き地にゲルを建て、 あたかもそこが草原のように暮らしをはじめる。
画像21 21 鳴海 邦碩
『バイク群の騒音にもめげず眠る子』(ホーチミン)
交通手段の中産階級化は都市を非環境共生的にする。
画像22 22 中村 伸之
『大地のかけら1』(四條畷市)
ニュータウンの公園に里山の森を残した。 木の足元に流れをつくり潤いがつながることをと願った。
画像23 23 中村 伸之
『大地のかけら2』(四條畷市)
ニュータウンの造成の時にくだいた岩盤のかけらを公園にならべた。
画像24 24 西 斗志夫 〈入選〉
『水上住宅の暮らし』
開放的住宅スタイルは、 川面をわたる風を取り込むのに絶好である。 熱帯地域にふさわしい環境になじんだ住宅スタイルである。
画像25 25 西 斗志夫
『水上住宅の風景』
タイの水際住居地域は、 独特のライフスタイルを持っている。 車のないすがすがしい環境、 「いけす」並の密度で生息する川魚、 そして水面上であるが上の涼しさ。 いずれをとっても、 環境共生を考える上での大テーマである。
画像26 26 堀口 浩司
『スコール』(チェンマイ)
突然の雷鳴とともに激しい雨が降りだした。 雨と一緒に多くの蝿も集まってきた。 降りはじめと同様のあっけなさで、 雨と蝿は行ってしまった。
画像27 27 堀口 浩司 〈優秀賞〉
『仏教寺院の傍らにて』(ピサノローク)
かごにいれた小鳥やビニール袋にはいったドジョウ、 亀、 魚を売る少女に出会った。 敬虔な仏教徒は、 小動物を解放してやり功徳を積む。 餌付けされた小鳥や横の川で捕まえた魚たちは、 いつの日か、 またこの場所に戻る永遠の営みとなる。
画像28 28 土橋 正彦
『閑』(奈良公園 鷺池)
連休明けの公園の池。 あの人波がうそのように去って、 静かに時間が漂っている。
画像29 29 土橋 正彦
『時間(とき)』(大阪 南港)
200年の時間を超えて、 コンテナ船と同泊する。
画像30 30 土橋 正彦 〈入選〉
『汗』(白川郷)
環境共生も楽じゃない。
画像31 31 井口 勝文
『ローマ・ポルタミア(ミケランジェロ作)の電話ボックス』(ローマ)
三千年の都と共生する街角の電話ボックス。 背後に市壁とパラッツォが見える。
画像32 32 澤 一寛
『エイジング』(プラハ)
都市の光と影は、 「環境共生」の歴史を物語る。
画像33 33 有光 友興
『ご苦労様です』(タイ スコータイ遺跡公園)
スコータイ遺跡視察が終る頃スコールにみまわれた。 セミナー委員長はスコールの中お一人何かの確認に行き戻ってこられた。 関西ブロックセミナーの持続は委員長の率先垂範によるところと改めて思った。
 

今森光彦賞を受賞して

難波健

 受賞の連絡を受けて当惑してしまいました。
 この写真を撮影したブルネイは、今年のJUDI関西タイセミナーの機会に一人で立ち寄った土地です。旅行から帰ってしばらくして、フォトコンテストの話題が出たときに、いわゆるいい写真、構図とかシャッターチャンスとかフォーカスがいい写真と、JUDIの視点からみていい写真とは違うのではないかということを環境開発研究所の有光さんらと話して、それを皆の目にふれるところに書きました。
 私の意見が入れられて、今回受賞したのであれば、おまえの写真は構図やフォーカスなんかダメだよというレッテルを貼られたようで、非常に複雑な気持ちになりました。
 ブルネイへ行ったのは、世界一豊かな国、税金も教育も医療も無料の国で、カンポンアイルという水上住居がどういった位置を占めているのかを見てみたかったのです。
 今度の旅で、ブルネイに限ったことではありませんが、日本に比べて大人も子供にも共通して屈託のない笑顔が印象的でした。選評に、オジサンの笑顔のことが書かれていて、私の感動を見抜かれているのにびっくりしました。
 そういった、人や都市から受けた感動を伝えるのに、写真は欠かせないものです。そして、私の感動が曲がりなりにもともかく伝わったようだということは、素直にとてもうれしく思っています。
 これからも都市・環境・デザインをいろんなかたちで、苦労しながらフィックスしてその印象や感動を伝えあい、共有しあっていく作業をJUDIの皆さんと一緒に続けていきたいと思っております。どうかよろしくお願いいたします。

都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai

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