そもそもNEXT 21は、 大阪ガスが建てた3棟目の実験住宅です。 まず、 昭和43年に東豊中の実験住宅を建てました。 その時には東京大学の池辺先生にご協力いただいて、 ユニットバスやシステムキッチンなどの開発を行ったと聞いております。
そして昭和61年には戸建住宅NEXTを建てたのですが、 その時は家庭内情報化がテーマになっておりました。 ただ、 これはいま言われている情報化とは違います。 当時、 ハウスオートメーションが流行っていて、 外から電話をかけてお風呂が沸かせる、 あるいは照明を付けたり消したりできるといった情報化機器を入れたわけです。
その時に次は集合住宅をという話があり、 NEXT 21が93年に竣工しました。
もともと大阪ガスは設備会社ですので、 設備の開発が実験の大前提です。 もちろん、 コンロの燃え方や燃焼の効率、 給湯器の効率を上げるといった実験なら実験室でできます。 しかし、 それだけではなく、 人がどういうふうに使って、 どういう使われ方が想定されてという居住を伴う実験をしなければ、 より良い開発はできないという発想に基づいて実験住宅を建てております。
一方、 NEXT 21が考えられたとき、 集合住宅の姿が大きく変わりそうだと言われていました。 住環境や住宅や住まい方が変わっていくのであれば、 そういうものに合った住宅を建て、 住宅がどうなっていくかも一緒に考えながら設備を考えていこうというのが、 大阪ガスとしてのスタンスです。
将来の住宅はどうなっていくかということに関しては、 社外の建築の先生方にご協力をお願いしました。
NEXT 21の居住実験について
大阪ガス 加茂みどり
NEXT 21建設までの経緯
NEXT 21は1990年から検討が始められたプロジェクトです。 93年の10月に竣工し、 半年間ほど見学期間があった後、 94年の4月から99年の3月までの5年間、 第1フェーズの居住実験が行なわれました。 入居者は全員大阪ガスの社員です。
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