都市環境デザインを目指す若者集まれ
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景観行政について

大阪市景観計画課について

改行マークセミナーの案内では景観計画課と書いてありますが、 この4月に都市計画課に異動して、 現在はユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)を建設中の此花西部臨海地区や中之島西部地区、 埋立地の夢洲などの開発計画を担当しております。

改行マーク景観計画課は、 3年前に出来た比較的新しい課です。 政令指定都市12市では、 だいたいこの10年で都市景観室や都市デザイン室、 まちなみデザイン室やアーバンデザイン室といった、 「都市」や「景観」や「デザイン」といったキーワードを組み合わせた名前の課がそろってきました。 そこで、 この12市で景観に関するいろんな情報交換を定期的にやっております。 その中で大阪市は、 建物景観をよくし省エネにもなる地域冷暖房の導入促進や、 彫刻・モニュメントの設置など広範な景観行政を紹介しています。 したがって、 今日のお話も都市や道路・橋梁の景観整備、 バリアフリーの取り組み、 映画とまちづくりなどいろいろ紹介させていただきます。


都市景観条例の制定

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「景観づくり」を考える
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千年都市大阪
改行マーク景観計画課には2年間在籍しておりました。 その間、 平成10年9月に「大阪市都市景観条例」を制定させていただくことが出来ましたし、 平成11年12月には、 条例に基いて景観形成の目標と指針を示す「大阪市景観形成基本計画」も策定しました。

改行マークまた、 昨年は『千年都市大阪まちづくり物語』という本の編集もやっておりまして、 12月に大阪市都市工学情報センターから発行し、 主要な書店においております。 大阪は7世紀の難波宮以来、 随分古い歴史を持っている都市ですが、 淀川の河口にあるという地理的条件から、 いろんな面で自然と戦い、 またその利点を生かして発展してきた都市であります。 この様なまちづくりが、 現在の大阪の景観形成にも繋がっており、 まちづくりの千数百年にわたる歴史を、 できるだけビジュアルに紹介しようと、 項目ごとに写真と文章の見開き2頁で本を構成しております。


大阪市景観行政のあけぼの

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写真1 難波橋
改行マーク写真1は難波橋という中之島に架かっている橋です。 大阪は、 明治36年に始めて開業した市電事業の収益で、 明治の末から大正にかけて道路の拡幅や橋の整備を進めており、 この橋も大正4年に市電の建設にあわせて、 市電事業で出来た橋です。 この橋は、 川を渡ると同時に、 途中の中之島公園にも繋がっており、 公園と調和した上下部などデザインに優れた橋です。 写真は、 天岡均一さんという彫刻家の方が制作した花崗岩のライオン像で各親柱に計4体置かれており、 ライオン橋とも呼ばれています。

改行マーク元大阪市助役の堀威夫さんは、 「都市の橋梁は、 ・・・・近代的都市美への案内役でなければならない」と言っておりますが、 この橋は当時としては最高の意匠的配慮がされており、 土木施設の本格的な景観設計の最初の例と言ってもよいと思います。

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写真2 淀屋橋・大阪市役所
改行マーク写真2は淀屋橋と大阪市役所です。 大正10年から始まる第1次都市計画事業では、 橋梁の意匠設計が積極的に行われています。 淀屋橋、 大江橋では意匠設計のコンペを行い、 南欧中世風のデザインが入選し、 昭和10年に完成しました。 下部のアーチは、 高欄の小さいアーチとバランスがとれてきれいなのですが、 地盤沈下で少し下がっているのが残念です。

改行マーク京都帝国大学の元教授の武田五一さんは、 「大阪の橋の美」という文章の中で、 橋が作り出す水平架構の美や、 周囲の建物との調和を強調して大阪の橋を紹介していますが、 この写真もそれにあたるのではないかと思います。

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写真3 日本銀行大阪支店
改行マーク私のデスクから後ろを見ると、 写真3のように日本銀行大阪支店が見えます。 秋に日銀と御堂筋のそれぞれの銀杏が色づき、 とても美しい光景になります。 日銀は、 明治36年に出来た近代建築ですが、 昭和57年に中央のドームとファサードを残して改築されました。 御堂筋に面して日銀の旧館、 その後ろに新館、 さらにその後ろに民間のビルが2、 3あり、 それぞれの建物が後ろにいくに従い少しずつ高くなっています。 ですから御堂筋に立つと、 日銀のドームとファサードしか見えません。 出来るだけ後ろの新しい建物が視野に入らないようお願いしてきたわけです。

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