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写真6は国道1号の一筋南にある老松町通のコミュニティ道路です。 平成6年に朝のNHKの連続テレビ小説「ぴあの」の舞台となったところで、 天満宮への参道になっており、 また周辺は画廊などのアート関係の店がたくさんある所です。 コミュニティ道路は、 昭和55年に大阪市が日本で初めて既成の住宅地で完成させました。 車道をジグザグにして自動車のスピードを落とし、 歩行者と共存させて交通安全を確保しようとするものです。 その後建設省の交通安全事業の補助事業のメニューに加えられ、 全国に普及していますが、 今でも大阪市は全国有数の整備状況で、 また商業地でも整備され美観の向上にも貢献しています。
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写真7は中之島をぐるりと周る中之島歩行者専用道です。 中之島では、 高潮から守るため周りに堤防を築き、 また地盤の沈下に応じて順次高くしていきました。 その結果、 中之島の周りは壁のような堤防がとりまき川が見えなくなってしまいました。 昭和50年代に大阪府の方で堤防の補強工事をやることになり、 大阪市で堤防の工事にあわせてその上部を川の方に張り出し、 歩行者の空間をつくったのが、 この中之島歩行者専用道です。 また、 そこに土を盛って花や木を植えたり、 ベンチや彫刻を置いています。 しかし、 これを計画した頃は美観やアメニティと言う前に、 まだ道路のストックを増やすのが急がれる時代でしたので、 歩行者専用の、 しかも美観を高めるための予算を確保するのはなかなか難しい状況でした。 そうはいっても、 こういう都心の真ん中で、 歩行者の空間をつくる限りは、 是非とも質の高いものにしたいと、 歩行者の通行量などいろんな説明をいたしましたが、 このあたりは1平方メートルあたり50万円とか100万円とかする土地代の高い所ですが、 この工事ではいりませんので整備のグレードをあげたいというような説明が案外効果があったと思います。 大阪市が歩行者の空間を積極的にデザインし、 景観を良くしようと取り組んだ最初のグループで、 その後本格化してきます。 現在もまた、 財政状況が厳しく公共事業や景観整備の予算がアゲインストですが、 都市に安全に、 快適に住まうためにはぜひとも必要な投資と考えています。
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写真8は、 周防町通のヨーロッパ村です。 これも昭和50年代に、 道路に沿ってアメリカ村・ヨーロッパ村という雰囲気のある街並みができ、 これにあわせて道路のカラー舗装や、 大阪で最初に電線・電柱の整理を試みたものです。 当初は、 車を止めてモールにしようというアイデアもあり、 この種の事例として旭川の平和通買物公園や横浜の伊勢崎モール、 外国のニコレットモールやミュンヘンモールなどの整備の前後の写真やスライドを持っていろんな所で説明してまわった記憶があります。 ただ、 ここは阪神高速道路のオンランプに通じる道で、 交通量もかなりあったため今も車は通行しています。
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