この辺りから私も関係してきた仕事です。 役所ですので、 直接工事をすることは少なく、 調査し計画したり、 予算を確保し発注したりという仕事になります。
写真4は平成元年に完成した淀川に架かる菅原城北大橋です。 淀川に橋を架けるとなると、 200〜300億円オーダーで工事費がかかりますから、 大阪で初めて有料道路制度を採用して、 普通車で100円の料金をいただいております。
淀川は、 治水の安全や大阪港の機能を高めるため明治43年にオランダの技術者のデ・レーケなどの計画により、 毛馬から下流部分を新しく掘りました。 また、 川の中央に向かって櫛の歯のように石積みをして、 川の流れを中央にもっていき水量を確保し、 水運(船の運航)を容易にしたわけです。 この石積み(水制工といいます)に土がたまり、 草や木が生え、 池のような形になっています。 「わんど」と呼んでおり、 よい釣り場になっており、 橋も長いスパンを飛ばせる斜長橋を採用しています。
改修した川も100年近く経つとこのような景色になるわけですが、 京都大学名誉教授の佐佐木綱先生は「景観十年風景百年風土千年」のなかで、 百年残ってはじめて風景としての独自性があるとおっしゃっており、 その意味でこれが淀川の風景と呼んでいいかと思います。
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