ニュータウンを超えて
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たとえば、 こんな街が…

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写真33左 港北NT/航空写真(住・都公団提供)
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写真33右 港北NT/戸建地区
 写真33左は港北ニュータウンの航空写真です。 オープンスペースには、 既存の自然を残したものや住宅地の中に取り込んだ緑地があります。 その中だけ見ているとそれなりにいい空間ができていると評価出来るのですが、 それ以外の一般市街地が問題です。

 市街地の実態は、 写真33右のようにその辺にあるスプロールエリアと大して違わない低質な街になっています。 今日ほとんどの住宅がこのようなそれぞれの住宅が、 自ら必要とする日常的環境を自己充足できず、外部に依存するというあり方になっています。 こうした住宅地のあり方は、それらが集まって街をつくることにより、確実に環境破壊を引き起こすという意味において、一種の奇形細胞化しているといってよいでしょう。 たしかに数分歩けば豊かなオープンスペースに行けるのですから街全体としてのサービス水準は決して悪くはないのですが、 個々の住宅を取り巻く最も日常的な住環境の質は街の骨格としてのオープンスペースだけでカバーできるものではありません。 公的なカバーでは限界がありますので、 やはり市街地の個々の住環境の質をどう高めていくかを考えていかないと、 トータルな街の質は向上できないだろうと思うのです。 したがって都市環境の再生を考える上で、 個々の要素のあり方を考えることは不可欠なことだと考えられます。

 ではどんな街を目指していくかを考えるため、 いくつかのイメージ写真を見ていただきます。

 

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写真34左 練馬区向山/区画街路 写真34右 練馬区向山/戸建住宅 写真35左 港北NT/緑道(笹舟の道) 写真35右 港北NT/公園(鴨池公園)
 

 写真34左は練馬区の向山という所の区画街路ですが、 こんな風に街路が緑で覆われています。 写真34右も同じ街ですが同様に戸建て住宅が緑に囲まれています。

 写真35左は港北ニュータウンの緑道です。 家のすぐ近くにこうした緑道があり、 また緑豊かな公園(写真35右)があります。

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写真36左 町田市玉川学園/店舗 写真36右 練馬区向山/花屋、 カフェ 写真37左 東京・原宿/集合住宅(同潤会) 写真37右 福岡アクロス
 

 写真36玉川学園で見かけた風景ですが、 店舗も緑の林の中にあるように構えてあります。 また花屋とカフェが一体となったつくりのお店も身近にあります(練馬区向山)。

 集合住宅や事務所ビルの壁面も緑化されています。 写真35左は東京の原宿の同潤会ものです。 写真35右は福岡のアクロスです。

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写真38左 杉並区阿佐ヶ谷/道路 写真38右 シンガポール/歩道橋 写真39左 多摩NT/擁壁 写真39右 神戸市藤が丘/菜園
 

 写真38のように街路も緑化されると、 夏の地面も加熱することがなくなります。 また橋(写真38右)もこのように緑化されています。 (シンガポール)

 写真39左のように大きな擁壁も緑化されていたり写真39右のように身近で親しめる菜園があったりします。

 

 このように、都市骨格は従来のままであっても、都市を構成する全ての要素のあり方が今ご紹介したような姿に変わることによって、確実に都市の環境は変わって行くのです。

 このような要素のあり方の転換、モードの変更が、 これから目指していくターゲットに なっていくと私は考えています。 したがって、今の私の関心は骨格構造のあり方よりも、こうした個々の要素のあり方のほうに向っています。 これを念頭において、 次のスライドを 見ていただきたいと思います。

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