金沢:
宇宙からみれば、 地球は一つの球形の存在です。 そのように一つの存在として捉えることから地球環境問題という認識が始まったのだと思いますが、 さらに地球は水の惑星であるという意識も持たなければならないと思います。 地球の三分の二は水で覆われており、 あえて言えば水の惑星と呼べるほどなのです。
私がいた佐賀大学では、 佐賀平野は平べったい低平地で、 水害を起こしやすく、 軟弱地盤だと言われ、 非常に問題があるところだという意識で土木の先生方が研究されていました。 低平地は人間の住みにくい、 使い勝手の悪い場所だという認識です。
しかし、 たとえばヨーロッパの北海沿岸地域の歴史をみてみると、 7000年前からすでに臨海の水辺の微高地に漁労を中心とした集落ができています。 たとえば地理学でテルプといわれる微高地の上にも集落が形成されていました。 杭上住宅もありました。 同じことは北米、 東南アジア、 日本など、 世界中で見られます。
このように、 水辺は必ずしも人間が住めない場所ではなく、 人類が生活空間を営々と切り開き、 文化をつくってきた場所でした。
水の惑星としての地球
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