緑としての建築
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環境構造としての空地空間を創造する

江川直樹

 

 今日の「緑としての建築」という話は、 まちにとって緑がどうあるべきか、 あるいは建築がどうあるべきか、 その緑と建築が合体してどうあるべきかと、 基本的にはそういう課題を含んだ話だと思います。

 私自身は建物における隙間、 構造的な空地空間が重要であると考えています。 環境構造としての空地空間といつも言っていますが、 これは以前に学芸出版社で出した『住宅の近未来像』の中でも言っておりますので、 読んでいただければと思います。

 今日はまず、 なぜアーバネックス中京があんなに隙間の多い建物になっているのかというあたりを簡単に説明させていただきたいと思います。 また、 これまでに上野先生たちと数回にわたって議論をしてきて、 当初から思っていたことはきちんと実現したけれども、 思っていなかった事は、 やはり実現しなかったという感想を持っているのですが、 それが何故かという話も少しさせていただきたいと思います。

 それから今、 いちばん重要な問題だと思っているのが、 田瀬さんの絵にもあった隙間のある空間をどうしたらまちの中でつくっていけるのかということです。 その方向性を少しお話しさせていただこうと思います。


容積を目一杯使うとどうなるか

一般的な集合住宅
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容積制限を目一杯使った場合のボリューム
 アーバネックス中京がある地区には31mの高さ制限がありますから、 400%の容積を目一杯使って建てると、 写真のようなボリュームのものが建ち得ます。 この敷地でも従前にはこういう計画が実際にありました。 その計画に対してこの辺に住んでいらっしゃる方々がもう少しなんとかならないのかと事業者側に申し入れたのがきっかけで、 今回のような計画が長い時間の中で実現したということです。

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容積制限を目一杯活用した案を北側から見る
 アングルを変えて見ています。 経済的に土地を有効に使いなさいと言っていると、 こういうものが建ってしまいます。

 ところがまわりの普通の建物は全然違うボリュームで出来ています。 そしてまた、 まわりの建物が個別更新する限り、 敷地の関係からこれ以上大きくならないんです。 前面道路からの制限がありますから、 地上げをして大きくセットバックして高いものを建てる以外、 小さなスケールのものしかできません。

 僕たちはこの道路幅員の中でできる個別更新型の雰囲気が、 歴史の中で継続していくまちのあり方ではないかと思ったわけです。

隙間は公共のもの
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真北から見たところ
 これも違うアングルから撮ったものです。 放って置いたら全部こういうふうなボリュームになってしまうんです。 今この辺りで、 これと同じ様なボリュームの建物が出来てしまうということで、 大問題になっています。 僕自身は、 できるだけ小さなボリュームで隙間のいっぱいある建物をつくることが、 まち全体の環境を共有するためにいいと思っています。

 ただ単にこの辺に住んでいる人だけの問題ではなく、 広く市民全体が共有できる考え方を持つようになるために、 緑としての建築という概念が有効に働いてくれれば、 非常に有り難いことだと思っています。

 もう一つは、 セットバックするからこういうものが建つということがあります。 これをぎりぎりに建てると、 こんなに高いものは建てられません。 だから400%つくろうとすると、 道路側からセットバックして、 大きいものが建ってしまうわけです。 そうするとこのヒューマンな幅員の道路空間が持っていたまちの界隈性だとか空間性が、 全部途切れてしまうということになってしまうわけです。

 僕たちは「ここの中にできる隙間はここの人達だけのものではなく、 まち全体のものである」と言いたいと思います。 あえて言えば隙間は公共のものであるという概念を構築すべきではないかと。 それは先ほどの緑の話も同じであるし、 田瀬さんの絵にあった水の話も、 もしかしたら同じ様なことになるかもしれません。 ああいう構造をこの中に内化しようとすると、 このようなマスボリュームの建物では苦しいということです。

立体的建ぺい率という考え方
 それからもう一つ、 立体的建ぺい率の考え方で隙間を評価してほしいと思います。 いわゆる建ぺい率の考え方だけでいくと、 高い建物が建ってしまいます。 しかしこういうまちにはやはり低層の建物が必要だと僕は思うんです。 ですからここに低層をつくることによって、 地べたの空地はなくなるけれども、 逆に上空に隙間がいっぱいあれば、 それを建ぺい率にカウントするんだという発想を、 緑としての建築からも後押ししていただけないかと思います。

 あるいは積極的に隙間だとかセットバックで出来てくる屋上庭園を、 緑化空間とすることによって、 それも建ぺい率のカウントしてもらうとか、 そういう空間だとか隙間だとか連担する空地だとかの社会的な意味を、 みんなが共有するということを、 緑としての建築側からもう少し違った視点も含めて後押ししていただくと、 環境の総体が良くなるのではないかと思います。


地元との話し合いの中で

アーバネックス中京のコンセプト
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6階建ての高さに変更した場合
 地元の人たちは高さを低くしてほしいと言ったわけです。 それではと6階程度の建物にするとこんな形になります。 たまたま真南に壁状の建物があり、 南面の光はおおよそ期待できないという構造になっていますから、 西と東の両面採光で一般的なマンションのボリュームでつくることになります。 先ほどのものはこれが31mまで2棟で建っていたということです。

 最近の一般的な集合住宅は、 奥行きがとても長くて間口が非常に狭いという特徴があります。 狭い間口に対して、 表面で日照と採光をとって、 その中に四つ程度の部屋をとって、 あるいは水まわりも完全に外気に面さない形で内部に取り込まれている場合がほとんどです。 それは確かに効率的ですし、 機械で冷暖房をコントロールしようと思うと、 より閉じた形の方がコントロールしやすいと言えます。

 しかし、 先ほど見ていただいておわかりのように、 まちのスケールと全然違ったものになってしまいます。 周囲の個別更新している建物のボリュームに対して、 あまりにも巨大であると思うわけです。 それで、 何とか個別更新していく場合のスケールで、 これと同じくらいの容積率の建物ができないだろうかと思ったわけです。

 もう一つは、 今、 建築に求められていることとして、 将来、 建物内部をいろんな用途に変えられるようにスケルトン・インフィルでつくり、 100年はもつような住宅をつくろうという課題があります。 ここでも、 どうせやるんだからそういうスケルトン・インフィル型の、 多用途に対応でき、 将来の可変性にも対応できる100年住宅をつくってほしいという要望も一方ではありました。

 その要望に応えるためには奥行きの長い、 しかも間口の狭い建物は、 非常にやりにくい構造です。 つまり一つ一つの住戸の内部でいろんな事をやれるようにするためには、 たとえば、 パイプスペースをどうするんだとか、 奥行きの長い中で配管を自由にするには階高をたくさんとって、 床の懐をたくさんとらなければいけないといった問題が出てきます。 あるいは内部の空間を使いまわす時に、 非常に小さいファサードが、 その可能性の芽をかなり苦しくしているというような問題もあります。

 それからもう一つは、 まち全体がいろんな意味で更新していく時に、 こういう箱状のものはまちの更新にとって、 スケルトンにならないのではないかと考えたわけです。 さきほど田瀬さんの絵に、 駐車場をとってしまったという話がありましたが、 実は私もそういうことを考えていました。 駐車場など100年先にどうなるかわからないから、 駐車場がなくてもいいような構造にしたいと提案しました。 田瀬さんと打ち合わせたわけではないのですが、 同じように私も思っています。

 ですからここでは地下に駐車場をつくらなかったんです。 このまわりには非常に華奢な木造の建物がたくさんあります。 ですから工事が大変であることを考えても、 地上に駐車場をつくって、 将来その駐車場がなくなった時にも、 その空間を使い回しできるようにしようと考えました。

第一案
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第一案
 この絵が一番最初に提案したものですが、 今のものと基本的な考え方は同じです。 だいたいこのくらいの薄い奥行きで、 厚みは四間で7.6mとしました。 八畳が二つあるくらいの厚みです。 だいたいそれくらいのものが一般的なまちの住宅の奥行きになりますので、 それくらいのスケールで構成すべきなのではないかと考えました。 そこに隙間をとると住宅として成り立つのではないかと考え、 こういう形を地元の方にお見せしました。

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第1案(アップ)
 ここではスケルトン・インフィル型にするため、 ラーメンとスラブだけで出来ており、 ファサードは全部サッシです。 基本的には全部取り替えられるものであるという提案をしました。 そして全体はガラス質のものでできていて、 夜になると光を発生したり、 プライバシーを守りながらも豊かな光や通風を上手に取り入れたいということで、 当初考えたのはバルコニーはなく、 全部ルーバー状の建物にできないかということでした。

 また4階の屋上は先ほどの田瀬さんの望楼のように、 まちの人に開放することを考えていました。 建て詰まってしまって、 山並みや屋根並みを一般の人が見られる場所が非常に少なくなっていますので、 逆にそういう低層の町並みの良さをまちの人に知って貰うことが重要なことだということで提案していました。

 この時は北側の方から反対を受けました。 北側の向かいに空き地があるのですが、 隣接した方がお持ちの土地で、 近々ここに建物を建てる予定があるけれども、 目の前に4階の建物が来るのはつらいというお話でした。

 実は隙間があるということは、 箱形に建っているものに比べると、 色んな意味で圧迫感はないんですが、 やはり高いということに関する抵抗感があって、 まわりには付き合っているけれども、 北側に対して付き合ってくれていないという議論がありました。

一層の分節化をはかる
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第2案の建物
 それでだんだん高さが落ちてきます。 高さが落ちてくると、 容積率を稼がなければいけませんから、 ペントハウスのようなものを少しつくらせて下さいなど、 いろんな事を言っています。 この時は北側は4階建で、 5階・6階・7階・8階という形になっています。 隣の南側の建物よりは低くして欲しいという議論もありました。

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北側部分の高さを落とす
 写真では北側部分はまだ全部4階になっています。 最終的には一部3階まで落ちてきます。 そうすることで、 一年を通しての日照の影響をチェックしていきますと、 ほとんど後ろの人に影の影響がないという結果が得られました。

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「奇抜」な?形の提案
 こんな提案もしました。 地域の人の意見は、 落ち着いた京都には、 しかも住宅地には、 こういう奇抜(という表現でしたが)な形態よりも周りの建物に付き合った形態のほうが良いというお話でした。

最終案
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最終案
 最終的に北側は一部3階にまで落ちました。 屋上のテラスは、 半分がプライベートなテラスとし、 半分はパブリックなテラスにしています。 菜園用のテラスは、 納まりを考えても全部土を入れてしまったほうが楽なんです。 ですから結果的には上野さんのお話のように全部土が入っていまして、 そこに離れのようなものをつくっています。

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最終案と回りの状況
 最終的にこういう形になりました。 いかに周りの建物と同じような集積でできているかがわかっていただけるのではないかと思います。 必然的に緑の建築として使える部分もできてきているという事になったのではないかと思います。


上野提案に対して

コストの問題
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隙間が多い建物は外壁率が高い
 最終案も単純な形の組み合わせをしていますので、 スケルトン・インフィル型でやるにしても、 コスト的にもこれくらいであれば何とかできるのではないかと思っていましたが、 あたりまえの話ですが、 これだけ隙間だらけになっていますと外壁率が非常に高く、 それだけで相当、 建築上のコストの高い建物になってしまいます。

 外壁のファイバーグレーチングにしても、 単価の高いものですから、 伊達や酔狂で使える材料ではないわけです。 ですから一般的に経済的な建物ではなかなか使ってもらえません。 さらにこの建物は400%が建つ所に260〜70%くらいの容積率で建っています。 賃貸住宅ですので、 実はさらにいろんな仕掛けがしてありますが、 基本的にはこの容積を何とか確保しなければなりません。

 駐車場の壁面は、 もともと緑の蔦を這わすことを考えていましたが、 提案のようにここに全てプランターをつけて灌水設備を整えてといようなところまでは出来ませんでした。 メッシュを張るだけでも相当なコストがかかります。 2階の人工地盤に緑の屋上をつくり、 そこから緑が上に伸びてくれるような、 できるだけ手間をかけなくても時間が解決してくれるようなことを考えてみました。

 普通にやれば一年間に1mくらいしか蔦は伸びないかもしれませんが、 どうなることかと思います。

中間階のルーフ
 中間階のルーフ(5Fテラス)は、 パブリックな屋上になっていて、 望楼のように誰でもここまで入ってこられ、 ここからまちの風景が見えるという形になっています。 また家庭菜園として使ってもらえる部分も設け、 住宅からも見えるようになっています。 菜園もこの建物の中の人だけで埋まらなければ、 地域の人にも使ってもらえるようにとを考えています。

 さらに空中の廊下を渡った離れをつくり、 ソーホーのようなつくりもできるし、 和室にも使えるようにしています。 またテラスは緑化するという方向で、 当初から考えていました。

 2400の天井の高さの全面がサッシになっています。 隙間の中の、 近くに対面する所は、 だいたい目線の範囲は不透明なガラスになっていて、 足元と上の所は透明なガラスとなっています。 手すりの腰部分も、 アルミのパンチングメタルのようなものとし、 光をできるだけ下の方まで入れながらお互いの相隣関係を守れ、 なおかつ風通しがいいとか気配があるもので全体を構成するようにしています。

ファイバーグレーチングの扱い
 ファイバーグレーチングになっている部分は、 プライバシーの問題、 あるいはエアコン問題、 また洗濯物の景観上の問題、 あるいは部屋の中からの解放感の問題などから採用しています。 もちろん、 日除けもありますが。 ここでは特に、 竪格子のような従来の町家が持っていた小さなスケールを表出したいという思いがあり、 そういうものに替わるものとしての要素もあると考えました。 それも2階部分だけは透明なファイバーグレーチングにして、 夜になると2階レベルの光は外にすっと落ちてくるようにしています。

 3・4階レベルからの光は抑えて、 道から見て上空は暗い感じにするという工夫をし、 日中は、 差し込む光だとか陰で室内外ともに自然と応答できるというコンセプトでつくっています。 ですからその要素が全て緑で覆われてしまうのは趣旨ではなく、 この部分については緑化はしていません。

 ファイバーグレーチングの中のバルコニー状のところは、 むしろインテリアとしての緑の欲求が、 ここではかなりありましたので(住みたいという人のワークショップをやりました)、 そういう緑がはみ出していくくらいのものであればいいのではないかと理解をしています。

 プランターなどは自由に置けるような構造になっていますし、 手すりなどにプランターが置けるようにするという上野提案に対しては、 むしろプランターのようなものが置けない構造にはしないというふうに我々は解釈しました。 まちの造園屋さんやホームセンターに行きますと、 結構気楽に使えるプランターなどがありますので、 そういうものを買ってくればひょいと掛ける事ができ、 いくらでも使える構造にしておくという発想です。

駐車場の扱い
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パーキングタワー
 パーキングタワーは将来ここの住まい方がどうなるかわかりませんし、 車との付き合い方が100年後どうなるかわかりませんので、 すぽっと取ることができます。 ただしコンクリートのフレームは残ります。 しかしここに耐力をもたせるという考え方はしていません。

 駐車場の手前はレンタルスタディルームみたいなものにして、 部屋の中の余剰機能みたいなものに使っていただくとか、 あるいは地域の人にも借りていただくとか、 そんなふうに使えるように考えています。


事例 アルカディア21

緑地の社会性
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住宅街区「アルカディア21」
 これは隙間を公共のものだと考えたらどうかということの一つの事例です。 もう10年以上前に、 僕たちは建物は設計していませんが、 この住宅街区を設計しました。 三田市のアルカディア21という住宅街区です。 一番最初に上野さんが最近のニュータウンのあり方について、 まとまった緑はいっぱいとるけれども、 一つ一つの街区の中にはほとんど緑がないと言っておられました。 まち全体として見れば、 周辺にいっぱい緑があるとか、 大きな公園に緑があるということで、 緑地率は高いまちなんだと言われていますが、 実際に日常生活レベルではほとんどないということです。

 それに対してここでは、 一つの街区の真ん中に緑の環境構造、 空地を持った街区を設計しました。

真ん中に空地を持った街区をつくる
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街区の平面図・空き地を真ん中にとる
 この真ん中の空地は実はここの住民が持っているんです。 ここに入っている道路はパブリックな道路です。 しかし空地はまわりの21軒の人たちが共有で持っています。 メンテナンスも自分たちでしています。

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街区の中の道路
 これはパブリックな、 公共の管理する道路です。 道路の中に、 中木も立っています。

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舗装と擁壁の一体化
 木の影が美しくうつるように、 道路の舗装と擁壁が一体になるようにしています(今日の話とは直接関係はありませんけれども)。

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路地
 この路地も、 パブリックな公共の道路です。

あんこの公園の効果
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共有公園
 これが共有の空地です。 全体で3000m2弱くらいの公園です。 一般に、 建築の総合設計制度では、 外側に開いている空地の評価は高いのですが、 あんこで持った空間はほとんど評価してくれません。 この空地も、 当初は行政に公園として引き取って下さいと言ったんですが、 「このようなあんこの公園は、 公開性が低いので引き取る意味がない」と言われ、 住民でこれを持つことになりました。

 その時「我々で管理するかわりに、 何とか少しは支援してもらえないか。 これだけのものが建物が建っていなくて、 緑も自分たちで管理しているわけだから、 なんとか支援して貰ってもいいのではないか」とお願いしたところ、 この部分は固定資産税を減免して貰うことになりました。

 当初はちょっとだけ減免してくれたんですが、 数年経つとこのあんこの公園の緑地の効果が、 結構まちにとって大きいということがわかってきたんです。 それで行政側も柔軟に対応してくれ、 今ではこの土地に対する固定資産税はかなり安くなっています。 もちろん、 この緑は住民がメンテナンスをしています。 お金を最初に少し積み、 業者にやって貰う所と自分たちでやる所を使い分けてやっています。

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公園のベンチ
 こんな公園です。 これはパブリックの公園ではありませんので、 いわゆる三種の神器のようなものもなく、 この芝生で子ども達が寝転がって遊んだりできます。 おかれているベンチは当初の設計にはなかったんですが、 ここでホロンピアというお祭りをやったときに、 神戸製鋼が協賛して設置したものです。 デザイン的に邪魔でしょうから、 最終的にはとってしまいましょうかと言われたのですが、 せっかくの気持ちですので残してもらいました。 まわりの人たちがここにきてお弁当を食べたりと結構使われています。

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公園の看板
 こんな看板が立っています。 「この庭園は私有地です。 美しく使って下さい」というふうに書かれていて、 「入らないで下さい」ではないんですね。 そういう空地の持っているパブリック性のようなものを、 もう少し緑の分野からも建築の分野からも都市計画の分野からも、 積極的に住民の賛同を得ながら、 いろんな分野から行政や社会に訴えていく必要があるのではないかと思います。

 今一般的に屋上緑化を増進しましょうと言っています。 言っていますけれども、 屋上緑化をすると容積率をおまけしてあげますといったことも建設省は言っているわけです。 しかし先ほどの31mで400%のようなところを屋上緑化して、 容積率をさらに貰ったら、 まちにとっていったいどういうことになるのかということです。 逆の発想が必要なのではないかというのが、 私のコメントであります。

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