正木:
正木でございます。 私が「安全・安心」あるいは「防犯まちづくり」に関わり始めて、 まだ4年ほどです。 その間、 少しは防犯の勉強をしましたので、 今日はその関わった最初の所からお話させていただきます。1. 安全と安心
崩壊する安全と安心のバランス |
ここでは日本とアメリカを例にとり、 日本は「安全で安心」、 アメリカは「安全でなく安心でない」と両極端に描かれています。 しかし最近では日本もかなりアメリカに近づいてきていると思います。
「安全」と「安心」が必要十分条件ではないという事は、 阪神・淡路大震災でも立証されました。
例えば、 被災者に仮設住宅を出たあと「安全」な構造で建てらた公営住宅等に住んでもらったときに、 コミュニティが十分育っていないため、 「安心」して住めないという話が出てきました。
また、 それまで「安心」して住んでいたコミュニティが豊かな地域は、 一方で密集市街地であり、 今回の震災においてはハード的には「安全」ではありませんでした。
「安全」と「安心」の両方を満たすためには、 それなりの努力を要します。 そしてどちらか一方が緩むと、 両方が悪化していきます。
一度悪化させた状況を元に戻すには大きなエネルギーが必要です。 だからこそ「安全」と「安心」とをしっかりと考え、 努力を重ねなければならないのです。