葛藤の都市環境デザイン
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葛藤からの脱却には

 

     
     物質的なデザインに留まらない、
     育み、 営みを反映できるデザインの余地を持つことと、
     関わり方が一つのキー。
     新たなデザインへの価値観が育ち、
     社会に浸透して多発することこそが、
     こらからのまちの“形”を創る力となる。
     それを担うのは皆さんなのです。
 
 最後に、 葛藤から脱却するためには、 物質的なデザインが当然必要ですし、 皆さんもそれが得意分野でしょう。

 しかしそれだけにとどまらず、 簡単に出来てしまったこういうハコや、 どうしようもないものでも、 育みや営みを反映できるような余地があれば、 そしてそれに自身が責任を持って関わっていく事ができれば、 そのものが定着し変質していく可能性が出てくると思います。

 しかし、 そういうものが良いとわかっていても社会が受け入れてくれない事があります。 経済の価値軸とか投資経済の中ではなかなかできないものがあります。 私も民間企業に入って今でも葛藤し続けています。

 それでも、 そういう状況を変えていかなければ、 これからのデザインの発展性とか、 まちの形というものは創っていけないと思います。

 そしてそれを担っていくのは、 デザイナーやプロデューサー以外の、 今学生である皆さんなのです。

 皆さんがそういう意識を持って、 新たなデザインへの価値観といったものがまち全体に浸透し、 あたりまえのように多発してくると、 多分まちは活性化されてくるでしょう。 それがこれからのまちの形をつくる力になるのではないかと、 私個人は考えています。

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レジメ
 最後に、 このレジメは双六形式になっています。 スタートから順々に私が今日お話した事をたどって反時計回りにぐるっと回りますと、 最後に真ん中に絵があります。 この真ん中の絵は何かといいますと、 先ほど言いました葛藤しているものの多発性を表しています。

 立場だとか、 いろんなしがらみの中でものが生まれている事は否定できません。 しかし、 それでも我々は、 絵では緑色の注射が突き刺さってますけれども、 【そういうもの《確信?》】を打ち込んでいくことによって徐々に多分変えていくのだろうと思います。

 そして私の確信とは、 育みや営みをデザイン要素に乗せて、 関わっていきたいという事なのです。 しかも、 それが実践されなかったら社会に認知されません。 私もまだまだ至りませんが、 活動しています。

 皆さんもそれぞれの立場で今後まちの形というのは何なのか、 自分の関わりは何なのかを絶えず考えながら、 実験しながら関わっていっていただければと思います。

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