園芸療法とは、 心や体に病や障害を持った人あるいは高齢者などを対象に、 「園芸作業」によって治療やリハビリテーション、 生活の質の向上を目指すことです。
そこには、 園芸療法士の関わりが必要となります。 私たちはこの園芸療法士を目指して、 現在勉強しています。 (4)園芸療法課程の学生生活
HT課程1期生 貴由名隆文、 渡久知悦子
園芸療法とは
私たちは景観園芸学校の園芸療法課程1期生として、 北は栃木県、 南は沖縄から集まった17名の仲間と共に園芸療法を学んでいます。 それぞれ医療・福祉・造園・園芸関係に携わった経験があり、 バックグラウンドは違いますが、 園芸療法という同じ目標を持って学んでいます。
園芸療法とは
心や体に病や障害を持った対象者がいて、 その人たちの病や障害があり、 その改善などの目的のために生きた植物を利用するという3つが重なった部分を園芸療法といいます。
園芸療法ガーデン |
五感ゾーンには、 視覚障害者のための触知板、 レイズドベッドなどが設置されています。 レイズドベッドは、 車椅子に乗っていてちょうど膝が当たる部分がプロテクターになるように設計されています。
その他にも、 視覚障害者が庭を楽しめる噴水があり、 水の音を楽しんだり、 水に触ることができるようになっています。
授業は、 「園芸療法」「医療・福祉関連」「園芸学関連」「マネージメント」の4つの分野で構成されており、 それぞれの分野で第一人者として活躍されている先生に講義していただいております。
実際の授業がどういうものかというと、 例えば作業療法の視点から、 作業の分析方法を学んだりしています。 実際に切り絵を行い、 筋肉の動きや五感などの感覚、 作業の特性などを確認します。 同じ方法で園芸についての作業分析を学ぶのです。 対象者の立場に立って考えられるよう、 病気や筋肉構造についても学びます。 ロールプレイも授業に取り入れられています。
障害疑似体験もしました。 実際に車椅子に乗ったり、 障害疑似体験グッズを付けて、 障害を持ったときに感じる不自由さや見える風景などを体験することも授業の一環です。 他の療法も体験することがあります。 絵画療法を体験したときは、 割り箸を使って絵や文字を書きました。
園芸関連の授業では、 畑での野菜作りがあります。 土作りや種まきから収穫までの一連の作業を行っています。 この畑は、 今は色々な野菜が大きく育ち毎日収穫の喜びを感じています。 また、 ペットボトルを再利用して、 底面吸水の鉢づくりなどのリサイクルガーデニングも行っています。 校内だけでなく、 実際に植物観察をしに六甲山の森林植物園や高山植物園に足を運んだこともあります。
植物利用の授業では、 自分たちでプログラムを立て実習を行っています。 葛の蔓を採集し、 その蔓を利用して籠編みの実習を行いました。 ある時は、 「耳が聞こえない」「しゃべれない」「目が見えない」という設定でプログラムを立て、 縄作りの体験をしたことがあります。 この時出来た縄で、 クリスマスリースや注連縄を作りました。
学園祭では園芸療法についてのパネルや授業で行った作品を展示しました。 その時、 体験コーナーを設け、 ワイヤーでのトピアりーづくりやリース作りを行いました。
別の実習では、 ヒヤシンスの水耕栽培のための鉢をペットボトルを再利用してつくりました。 透明のペットボトルに色や絵、 名前を書いてもらい、 そこに草花の寄せ植えを行いました。
精神科病棟での実習の時は、 実習後にみんなでフィードバックを行って職員の方にアドバイスをいただきました。
私たちが出かけるだけでなく、 外から学校に来てもらうこともあります。 園芸療法ガーデンに知的障害者の方を招いて、 レイズドベッドへ草花を植えるプログラムを行ったことがあります。
このように私たちはまだ学んでいる途中なので、 まだまだ未熟ですが、 充実した講義や演習、 また来年4月から始まります約4ヶ月間の施設実習など、 実践に即した学習の中でさらに学びを深めていきたいと思います。 これで園芸療法課程の発表を終わります。
園芸療法課程の授業
では、 9月からの約4ヶ月間の授業について紹介いたします。
学外での学習
学校の講義だけでなく、 施設を訪れて実習なども行っています。 老人福祉施設で実際に園芸療法のプログラムの実習を行ったことがあり、 このときは苔玉作りをしました。 土や苔、 グリーンプランツの手触りを楽しんだり、 新しいもの作りに挑戦し、 創造性を刺激してもらうのが目的でした。
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