祭りとコミュニティ
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祭りに注目すべき諸点

 

 私の感覚的なものでありますが、 「祝祭」がもたらす人混みの快感というのはなかなか面白いものです。 ネズミは過密状態が続くとストレスが昂じてやがて死に至ります。 人混みや高密さを楽しめるのは人間だけだそうです。 「満員電車の人混みは嫌いだけど、 祭りの人混みは好き」というような選び方ができるのは高密さに対する人間に特徴的な感覚ではないかと思います。 祭りは五感に訴えかける作用を持っており、 それ故我々にとってとても懐かしい感じがするということも面白い性質であります。

 また、 「互いに見合い楽しみあう」という祭りの性質も注目すべき点であると考えられます。 これは近代人が忘れつつある一種の芸に支えられており、 このような芸や祭りがもつ「型」を会得するためには、 習熟が必要であります・それを契機としたコミュニケーションは近代社会において薄れつつあるものの一つではないかと考えられます。

 色々な制限のある祭りもありますが、 参加者は能力に関係なく通世代的であり、 互いの「異文化コミュニケーション」の機会を獲得することができるのではないかと思います。 お酒の飲み方など遊び方を学べるという非常に重要な役割を果たしているともいえます。

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