21世紀 都市デザインの課題 |
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難波 健/兵庫県
韓国では計画が力を持っているという印象を受けた。現在の日本では、都市再生にみるように、事業優先の計画となっている感があるが、韓国では計画が事業展開の大きな位置を占めているようである。 我々が今回の韓国訪問で見学した中で、3つの計画を考えてみよう。一つは慶州郊外、ヤンドンの動態保存計画、ここは日本の古い田舎を彷彿とさせる集落が、住宅として機能させながら保存が行われている。二つ目は、大邱のテレビ塔から見下ろした区画整理が行われたと思われる地区の都市型の戸建て住宅地。そして、3つめは林立する高層住宅。いずれも計画的な保全と開発とみたが、この三態の住宅が夫々、計画的な価値を発揮するという評価を受けるかどうかが計画が力を持ち続けるための重要なポイントである。計画が破綻すると、計画は力を失ってしまう。日本では、そういった状態を経験しつつあるように思える。 整然とした都市づくりの計画、あるいは日本がなくしてしまったバナキュラなものを残す計画など、時と所にあった計画が事業を先導していく状況を大切にしていただきたい。時代劇の映画が撮影できるまちが残っているような計画も捨てないでもらいたい。 日本では、東京への一極集中はいずれ東京離れを起こすことは明らかだと思う。ソウルや釜山への人口集中は、東京の比ではないようだが、韓国で残されるべきものが残っている都市が生き続けていることを期待したい。 |
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