21世紀 都市デザインの課題 |
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大矢京子
釜山金海国際空港から一路北へバスで約2時間、韓国で最初に降立った場所は慶州良洞(ヤンドン)村。 鬱蒼とした林の中に韓屋が点在し、自然環境に溶け込み建物と調和した景観が美しい。 駐車場の奥に韓屋風の管理事務所と大きな案内板で、ようやくここが良洞 民俗村 とわかる。 案内役の洪さんの説明によると、約600年前の朝鮮王朝時代からあり、多くの官僚や文官を輩出した両班(ヤンバン:高級官吏)村で、韓国の歴史遺産を今に伝える村として全体が文化財指定(1984 年)されているとのこと。 後背の雪蒼山から連なる4つの尾根と谷間に160件程の建物が残っており、村の位置や建物の配置まで風水や儒教観に拠っているそうである。 今は住人のいない韓屋もあるが、村内の地道を歩いているとそこかしこに人の気配があり、庭には干し柿や大きな甕があり日常の生活が息づいている、風景は2 〜 3百年は変わってないかもしれないけれど田舎の親戚の家にでも来たような心地よさを感じる。 周辺には看板やのぼり・掲示板・観光物産店などもなく、案内パンフレットの下に小さく『 見学エチケット 』として注意事項等が書かれているだけ。 我々の他に訪れていたのは、韓国古建築の建物調査をしている建築科の学生達、韓国時代劇でも撮っているのか官服の衣装を着た若者を先頭にカメラを担いだ若者が数人、課外学習に来ていた外国人学校の小学生等、結構若者たちと出会うとてもマナーが良い。 韓国の中心都市の発展とはかけ離れ良くも悪くも(?)忘れられ残っている村であるが、歴史の継承は『有形のもの』だけでなく『無形のもの』も彼らに継承されてゆくのだろうか・・・?
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