海外建築家の日本での仕事
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中之島の概況

 

 

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中央公会堂と大阪市役所
 
 中之島の概況について簡単に説明いたします。

 中之島は大阪都心部の2つの川に囲まれた大きな島で、 面積は約50ヘクタールあります。

 東部の市役所がある辺りが1丁目で、 そこから西へ6丁目まであります。

 今日のセミナー会場となっている大阪大学中之島センターは4丁目、 国際会議場のあるのが5丁目、 中之島センタービルのあるのが6丁目となっています。 4丁目にはまだ空地が多くありますが、 5丁目、 6丁目には大きな建物が建ち並んでいます。

 今日皆さんに見て頂いた国立国際美術館は4丁目で、 市立科学館のちょうど横にできているわけです。

 

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中之島の人口推移《グラフ》
 
 現在の中之島にはほとんど人が住んでいません。 人口推移を見ますと、 戦前は全体で5千〜6千人の人が住んでいたようです。

 最近は人口が少し増えています。 1、 2丁目には住宅はありませんが、 住む人がじわじわと増えています。

 中之島には中枢機能が集積しています。 御堂筋沿いには1万m2を超える大きなオフィスがいくつも建っているわけですが、 この御堂筋の軸は、 実は中之島で西の方に振れており、 中之島を経て四つ橋筋沿いに梅田へと大企業のオフィスが立地しています。

 こうしたことから、 大阪における今後のビジネス拠点として、 この中之島を西へ延びる軸を形成しようという話があります。

 
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水と緑に恵まれた環境(中之島遊歩道)
 
 ところで、 中之島には中央公会堂、 市立科学館、 中之島図書館、 フェスティバルホールといった文化施設がたくさん集積しており、 また都心部でありながら緑と水に恵まれた環境が用意されています。

 
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個性豊かな橋(堂島大橋)
 
 また、 水上バスや水辺の遊歩道からの眺めなど川を生かした景観が美しい場所であり、 設計コンペで作られた個性豊かな橋も多くかかっています。

 こういった所を見ていくと非常に魅力的な場所です。

 

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中之島の就業者アンケート「中之島のイメージ」(都市大阪創生研究会より)
 
 私もお手伝いしていました都市大阪創生研究会という会で、 平成13年に中之島で働いている人を対象にアンケートをとったことがありますので、 それを少しご紹介します。

 まず「中之島のイメージ」について、 中之島で働いている方がどう思っているかをたずねました。 一番に「オフィス街」、 それから「水の都」「中之島公園」といった回答が上位を占めています。

 

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アンケート「気に入っているところ」(都市大阪創生研究会より)
 
 次に働いている人たちの「お気に入りの場所」を聞きますと、 国際会議場や科学館のオムニマックスなどが紹介したい場所だという意見が多く、 一般によく知られている中央公会堂や中之島公園などより多くの支持が集まっているというおもしろい結果が出ています。 どうやらそこで働いている人たちは、 外から見ている人とは違う視点で中之島を見ているようです。

 

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アンケート「悪いところ」(都市大阪創生研究会より)
 
 一方「悪いところ」を聞くと、 実は160人くらいにアンケートを取ったのですが、 そのほとんど全ての人が「交通が不便」と答えています。 他には「お店が無くて賑わいがない」「川が汚い」という意見が上位を占めています。

 
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アンケート「満足度」(都市大阪創生研究会より)
 
 最後に「今、 中之島で働いていることに満足しているか」というと、 交通は不便でお店も無いんだけれども、 そんな環境なりに、 まあ結構満足しているというような結果が出ています。

 このような現状の中之島ですが、 現在、 西部地域には様々な開発計画が目白押しですので、 次はそれらをざっと説明したいと思います。

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