海外建築家の日本での仕事
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中之島の未来

 

 

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居住者・就業者アンケート「中之島をどんな街にしたいですか」(都市大阪創生研究会より)
 
 先ほどの都市大阪創生研究会のレポートから、 中之島の将来像についてごく簡単にお話しようと思います。

 そこでまず中之島の未来について居住者と働く人にアンケートをとりました。 最も多かったのが「自然豊かな都心のオアシスになってほしい」という意見で、 居住者では次に「治安の良い安全なまち」が望ましいという意見があがり、 一方で働く人は「国際的なビジネスセンターになってほしい」という意見が多くなっています。

 また「格調高い文化の香りのするまち」を望む意見は、 住む人と働く人の両方から多く支持されており、 やはり中之島はステイタスのある場所であってほしいという思いが持たれています。

 中之島という場所は大阪の歴史の出発点でもあり、 シンボリックなエリアです。 そこで中之島の良さというものについて、 少し共通した認識を持って頂くために考えた、 いくつかのキーワードをここで挙げさせて頂きます。

1。 住む街としての資質を磨く
 かつては中之島に住むという発想はあまり無かったわけですが、 あえて「住む街」としての質を磨くことで、 ここに人が住み、 活動しているという発信をしていかねばならないと思います。

2。 川辺のにぎわいを取り戻す
 
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シンガポールの水辺の賑わい(都市大阪創生研究会より)
 
 かつて料亭や旅館が建ち並んでいた川辺の賑わいを取り戻したいものです。 例えば世界中の食が楽しめるような島にしていったらどうかと思います。

3。 橋の名所にする
 「橋づくし」ということで、 橋の上から大阪らしさが見わたせる橋の名所をいっぱい創っていくということを考えたいものです。

4。 歴史を見せる
 
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広島藩の舟入復元模型(海の時空館より)
 
 かつて中之島は蔵屋敷の並ぶ天下の台所だったわけですが、 今はそれを感じさせるものがありません。 ですから広島藩の舟入などの遺構を活用し、 ここがかつての天下の台所、 蔵屋敷のあった場所だということを見せていくべきと考えられます。

5。 歩くことを楽しむ
 
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中之島遊歩道と桜(都市大阪創生研究会より)
 
 すでに中之島遊歩道という歩行者空間がありますが、 大切な資源が現在はホームレスの住処となっています。

 これはやはりこの遊歩道が河川区域だったり、 道路だったり、 民間の土地だったりという縦割りの管理がそのような状況を生み出していると思われます。 官と官、 官と民が連携しながら、 水辺の遊歩道を魅力的な空間にしていく動きが必要でしょう。

6。 船遊びを楽しむ
 
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ヴェネツィアの水上八百屋(都市大阪創生研究会より)
 
 船遊びや水上店舗で楽しめるようにするなど、 ヴェネツィアの街のようにもっと水の上を活用してはどうでしょうか。

7。 市民の手による祭り
 江戸時代の大阪では「大川浚え」という行事が行われていました。 これは町衆が川浚えの労働奉仕をするものですが、 それが1つの祭りのように行なわれていたそうです。 そういった市民の力で川を創っていくようなイベントがほしいと思います。

8。 海につなげていく
 最後は、 やはり都心部にある緑豊かなオアシスとしての中之島が望まれているわけですから、 ここから海へとつながる「自然の回廊」を力を合わせて創っていかねばなりません。

 以上の8つを中之島の将来に代えさせていただき、 発表を終わります。

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