海外建築家の日本での仕事
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質疑応答

 

 

ステンレス・モニュメントの熱膨張について

田中(田中都市建築事務所)

 今日見学させていただいた中では、 やはりステンレスのモニュメントが印象的でしたが、 あれは熱によって膨張したりしますよね。 もちろんそのことも計算なさっているでしょうが、 熱はどこで吸収することになるのでしょうか。

高原

 大変鋭いところをついたご質問ですね。 結果的に言うと、 何もなくて大丈夫だったんです。 というのは、 短管継ぎ手という手法で管と管を直接ぶつけず、 縦横の管が竹籠を編んだような形に接合されていて、 それが熱膨張によく効いています。 実際には熱によって相当伸びているのですが、 上がフリーになっていることもプラスになっている様です。 ステンレス・モニュメントが出来てから二夏を超え、 計測もしていますが、 熱膨張の問題についてはこのディテールのおかげで助かっているところです。

 ただ正直に言うと、 それを見込んでいたわけではなかったのですが、 結果的には大丈夫だったわけです。


モニュメントのスタディについて

橋本(アトリエ・マホ)

 やはりエントランスの巨大なモニュメントについてですが、 25分の1のスタディを何パターンか作られたお話について、 もう少しうかがいたいのですが。

高原

 模型作りは私たちの日常みたいなもので、 イヤというほど模型は作っています。 現場に入ってからもガンガン作っていたので、 クライアントの国交省の方からは「そんなに模型ばかり作ってどうするの」と不思議がられました。 写真でお見せした模型もほんの一部で、 アメリカの事務所では総勢90人ほどのスタッフが日本の模型屋さん以上の設備で熱心に模型作りをやっています。

 アメリカ事務所でペリが見ていた1998年の模型はアートワークで、 力持ちのアメリカ人が人力でぐいぐいと曲げて作ったものです。 その後別のスタッフが模型を計測しながら3次元CADに全部入力しました。 そのデータを日本の土木屋さんがCAD、 CAMにデータにおきかえ同スケールの施工検討用模型を作りました。 ですから、 この間の仕事はコンピュータの中で行われたんです。 最終的には現場の人間が作り上げていくわけで、 始まりはアナログ、 途中はデジタル、 最後は人の技で完成しました。 特に継ぎ手が見えないディテールは、 まさに「職人さんの技」でしか出来ないと私は思いました。

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