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9.11テロの余波を受けましたが、 今は修復されてアトリウムも復活しました。
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クアラルンプールを代表する目立つものを作りたいと当時のマハティール首相から言われたと聞いています。 イスラムの文様を組み合わせた形で立ち上げたビルで、 つい最近まで世界で一番高い建物でした。
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今年(2004年)11月には谷口さん設計のMOMAが改修出来上がってオープンしますので、 アトリウムは壊されていますが、 タワー部分は当然残っています。
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ロンドンという古い町でのプロジェクトですから、 いろいろ難しい部分があったと聞いています。 大阪で言うと南港みたいな場所の開発です。 ロンドンで一番背の高い建物になることで、 古いロンドン市街地からも見え、 チャールズ皇太子からは手厳しく批判されたとも聞いています。 大規模開発事業になると、 そうした古い町の歴史との葛藤が必ず起きてきます。
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縦横比が東南アジアのバイタリティを表していると言いたくなるほど、 細長くて高い建物で400mほどの超高層です。
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最近話題になっているフランク・ゲイリーのグッケンハイム美術館のあるスペインのビルバオという工業都市の再開発で、 殺伐とした都市の復興として大きく貢献したプロジェクトです。 そこの中州にあたる部分のマスタープランをペリが行っています。 タワーの工事もそろそろ始まったとも聞いています。
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シーザー・ペリ事務所としては、 このプロジェクト以前は空港設計の実績は何もなく、 サーリネン時代にペリが担当したTWAターミナルのみでしたが、 この二大プロジェクトのデザインアーキテクトとして依頼されました。 (日本では実績がないとなかなか大きな仕事が取れないのですが)
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これがアメリカ・コネチカット州ニューヘブンにあるシーザー・ペリの事務所です。 ニューヨークから90kmほど離れた場所で、 イェール大学のキャンパスが目の前です。 近くにルイスカーンのブリティッシュアートとかイェールギャラリーなどがあり、 美術がすぐ身近にある環境です。 写真の建物の2階がペリ事務所です。 スタッフは怖いぐらいペリを信奉しているところがあって、 ペリの悪口を言うスタッフが一人も居ません。 日本ならどんなカリスマ・デザイナーでも、 居酒屋に行けばそこのスタッフがよく悪口を言ってますもんね。 それもペリのフレンドリーな性格や人間性の反映でしょうが、 私たち日本事務所のスタッフにもとてもよくしてくれ、 大変渡米した際には歓迎してくれます。
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ペリは指示を出すとき、 自分の部屋にスタッフを呼びつけるのではなく、 必ずそのスタッフの所やミーティングルームに出向きます。 アメリカだなあと思うのは、 その日入ったばかりのアルバイトの人でも、 ペリに「私はこう思うんだが」と堂々と意見することです。 ペリ自身も人の話はよく聞きますし、 その辺は懐の奥深さを感じるところです。
私たち日本事務所も懐の深い事務所になりたいと思っています。 アメリカ事務所は5時を過ぎると、 スタッフの奥さんや彼女、 犬も入ってきたりでフレンドリーな雰囲気です。 ピリピリしているときがあるとすれば、 日本での極秘プロジェクトをやっているときぐらいで、 大体はオープンに見せてくれます。 アメリカ的というかカルフォルニア的というか、 ペリ自身もアルゼンチン生まれなので大らかなラテン気質があるのでしょうが、 人間性というものの重要さについて私もこの十二年間で多くを勉強させてもらったと思います。
そんなところで、 私の話を終わらせていただきたいと思います。 なお、 国立国際美術館の今年11月3日のグランドオープンします。 それに合わせてペリが来日し、 11月4日に大阪府建築士会の主催でペリの講演会が中之島公会堂で開かれます。 こちらも、 皆さまぜひご参加下さい。