本日は「船場を読みとり未来を展望する」というテーマでお話させていただきます。
私が大阪大学に来てから20年くらいになるかと思います。 来た当時、 東京や京都については色んな本があったのですが、 大阪の都市空間についての本はあまりありませんでした。
そういうこともあって『商都のコスモロジー』(共編著、 TBSブリタニカ)という大阪に関する本を出版しました。 そのときいろんな出版社にあたったのですが、 大阪モノは売れないと言われ、 なぜか東京の出版社で出版していただくことになりました。
その後は状況も変わり、 最近は大阪をテーマにした本が色々出るようになっているように思います。
大阪という街は歴史的に面白い場所ですし、 とりわけ「船場」は大阪の歴史的中心地です。
例えばヨーロッパなどの都市に行きますと、 大きな都市でも歴史的中心地区はそのままの形で存在しており、 そこにいけば歴史が感じられます。 しかし大阪では、 この歴史の中心のど真ん中にいても、 なかなかその事に気付かないようです。
もちろん戦災にあったという事もありますが、 それでも船場には船場の街並みが残っています。 そういった空間というものは、 その気になって見ないとなかなか見えてこないものです。
この船場の、 とりわけ地面に大阪の歴史というべきものが残っているわけですから、 そういった事をもう少しきちんと勉強してみたいと思い、 この数年間、 調査研究を行いました。
今日は、 その調査研究における考え方を少しご紹介して、 その後具体的な研究事例について、 報告書から二つだけ紹介させていただきます。
はじめに
『船場を読み解く』の表紙
提供しております資料は私どもの研究室で院生が船場をテーマに勉強して修士論文にまとめたものを圧縮して編集したものです。
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