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バナキュラー建築とは

 

 私は「船場のバナキュラー建築」について執筆させていただきました。 船場のバナキュラー建築とは船場にある普通の建築と言いましょうか、 これといって特徴のない建築にスポットをあてて調べたものです。


バナキュラー建築

 バナキュラー(Vernacular)とは「土着の」とか「自然発生的な」という意味を持つ言葉で、 バナキュラー建築とは「その土地に根付いた固有の建築物」のことです。 ですから、 バナキュラー建築というと、 古い集落や町並みなど、 古びた感じのものをイメージされると思います。

 しかし、 バナキュラー建築とは何かを考えますと、 「立派な建築ではなくどこにでもありそうな特徴のない建築」、 しかしながら「その場所の特徴を受け継いだそこにしかない建築」という二面性があると思います。 それなら古い集落や町並みだけに存在するのではなく、 現代の都心部でもバナキュラー建築と定義されるものは存在するのではないか。 そこが、 まず私の関心を引いたところです。


近代以降の都市建築の問題

 バナキュラー建築を取り上げる前に、 まず近代以降の都市建築が魅力がないとか、 昔よりつまらなくなっていることについて、 どういったことが問題なのかを考えてみたいと思います。

(1)住宅が大量生産されるようになった
 工業化産業革命以降、 工場生産によるプレハブに代表されるような住宅の大量生産が出来るようになりました。 それによって、 場所に関係のない素材や構造の建築が大量に生まれてくるようになりました。

(2)建築の分業化(専門化)
 日本ではまだ大工さんによる設計施工が主流ですが、 欧米では建築デザインが分業化しており、 場所に固有のデザインというより、 建築家に固有のデザインが多く出てくるようになりました。

(3)民主化に伴う平等化
 以前ですと、 まちづくりは殿様とか王様など権力を持つ一部の人によって行われていましたが、 民主化の時代になると誰でも好きな形の建築を作れるようになりました。 そのため多様な建築が出てきて、 まとまった都市の景観は失われていったと思います。

 

 これら3つの原因が重なり合って、 その固有性を徐々に失っていったことが、 近代以降の都市が抱える問題としてあげられます。

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