別の取り組みとしては、 公には紹介していませんでしたが、 今年は関西ブロック有志とメーカー数社が集まって、 JUDI関西景観マテリアル研究会を作って毎月意見交換をしていました。 議題としては、 商品のこともあれば、 実際に出来た場所の評価の議論もありました。 そして、 全体として取り組むためにはどんな問題点があるかという議論もいたしました。
JUDIという組織の強みは全国に会員がいることですから、 全国の会員を含めた活動として何か実体化すべき時期に来ているのではないかと思います。 JUDIでもいろんなセミナーを行ってきましたが、 どれも1回ごとに終わっていて、 全体的な解決にいたるような具体的な所まで行き着かないことがいっぱいありました。 しかし、 繰り返し議論の対象になる課題はたくさんあります。
今回の資料(ワードファイル)には、 そうしたことに対してJUDIメンバーが何を提案できるのか、 その可能性についても少し書いてあります。 それ以外に出来ることがありましたら、 みなさんにお書きいただいて、 JUDIという活動団体が総体としての日本の景観をよくするためにメーカーとどう協働すればいいかを提案いただきたいのです。
みんさんには2種類のペーパーをお配りしています。 ひとつはJUDIの専門領域の職種に携わる人用、 もうひとつはメーカーサイドから参加している人用で、 それぞれの立場からご意見やJUDIに対する希望をお書きいただきたいと思います。 どちらかというと、 活動ということを前提にしてお書き下さい。 両方かぶさっている立場の方は、 どちらかをお選び下さい。 両方書けるという人は2枚書いて下さっても結構です。 後で議論する時のため、 氏名は記入してお書き下さい。
どういう視点で考えるかについては、 資料の<JUDIメンバーによる可能性への視点メモ>をご参照下さい。 例えばJUDIメンバーはメーカーに関してどういうことを考えているか、 あるいは企業姿勢や継続教育に対してどんな協働の可能性があるか、 またメーカーデザイナーや企画営業担当者は我々コンサルタントと共通する悩みを持っておられると思うので、 そんなことも議論しながらその解決策を探るということなどです。
また、 景観づくり発注者としての行政がマテリアルを採用するとき、 そのシステムにはかなり問題があるのではないかということも、 以前からJUDIの中では議論されてきました。 どちらかと言うと、 あまり景観についての議論もしないで、 担当者の趣味だけで選んでいくという話は、 私自身いろんな人から聞いています。 みなさんもそういう場面に遭遇したことがあるんじゃないでしょうか。 そうした時に個別で困った、 困ったと言うばかりじゃなくて、 何とかJUDIという組織を使って全体的に改善していく方策はないかということも考えていきたいので、 そういうことへの提案もみなさんに期待しています。
例えば、 景観と素材に関してみんなが議論できるツールを作成するとか、 JUDI会員が地方性や景観性を考えたカタログを作成するとかいったことが出来ます。 メーカーのカタログは出来た時の実例しか掲載されていませんが、 JUDI会員がフォローすれば経年変化をした後のコメントも添えて評価する事ができます。
日本の景観はそうしたひとつずつの公共事業が積み重なって出来上がっていくことを考えると、 自分が参加したプロジェクトさえ良ければ後は関係ないという姿勢ではいけないと思うんです。 公共事業を一緒になって考えていくことも、 我々の社会的責任と言えるんじゃないでしょうか。 個人としてやるのは難しいけれども、 組織としてなら出来る活動ではないかと思います。
また、 メーカーさんにとっても個々のメーカーではできないことも、 メーカー同士の協働なら出来ることもあります。 そうしたメーカー同士を組み合わせるような活動がJUDIによってできないかと思います。
もっと言うと、 市場の厳しいコスト主義をどう乗り越えるか、 JUDIのホームページを活用してもっといろんな人に見てもらうようにする(例えば、 メーカーとユーザーの意見交換の場になる、 一般の行政マンが何か困ったときに頼れる素材になる等)、 住民参加型のまちづくりにメーカーはどんなマテリアルの開発が出来るかなどの提案をいただけないかと思うところです。
では、 みなさまよろしくお願い致します。
JUDIに出来ることは何か
今までのJUDIの活動
これまでのJUDIの取り組みとしては、 毎年、 全国総会が開かれるとき、 本部事業委員会が主催してモニターメッセを開催していました。 これはその年に開発された新しい商品をメーカーの方々に披露してもらい、 それに対して意見を述べるという形式で、 どちらかというと言い放しで終わるという感じでした。 JUDI関西でも、 最近は秋のフォーラム時に協賛企業の方々によって企業活動や商品紹介の場を設けています。 これも、 一方通行の情報という感じです。
今日の議論の仕方
ですから、 今日は議論をしながらのワークショップという内容になると思います。 まずはみなさんに意見を書いていただき、 それをまとめ議論のとっかかりにする予定です。 そして、 今日の議論を将来に向けて継続したいというのが今日のセミナーの趣旨でもあります。
たとえば、 こんな問題を話し合いたい
もっと違う視点で言うと、 景観メーカーのカタログは全国一律に展開できる商品を載せていますが、 実際にはひとつひとつの場所ごとに景観は違うものですから、 本来でしたらその場所のために作られる製品が開発がされるべきなんです。 そうした地方性を意識すると、 JUDIの地方会員との協働の可能性も必然的に出てきます。 従来の総会のモニターメッセのやり方だと、 東京の専門家やメーカーだけの議論に終わってしまいますので、 もっと地域に根ざした視点で何か出来ないかと思います。 あるいは地域から考えた視点での製品開発の可能性も今後出てくるだろうと思われます。
このページへのご意見はJUDIへ
(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai
学芸出版社ホームページへ