ありがとうございました。それではこれから何かご質問等がございましたらよろしくお願いします。
まず、先ほどご説明が無かったのですが、役所がどんな役割をしているのかを簡単に説明していただけますか。
宮前:
先ほど言いましたように、まずは国が直接いろんな支援事業をしています。
それから県は、特に河川・道路等の公共事業を担当しています。また風致地区関係では許認可業務を行っています。
村は村民の意見をまとめて、それらを国や県の補助を受けながら公共施設の整備や集落景観の維持計画などに結実させていく、そういったことをしています。
数年前に明日香村の景観を考えるという趣旨の委員会で委員をしたことがあるのですが、そのときの印象では、村の行政が、国家が守る景観というものへの理解も、あるいはそれに取り組む確固たる姿勢も、ほとんど持っていないような気がしたのですが、それについてはいかがですか。
宮前:
先ほども色々な活動があるとお話ししましたが、そこでは行政の支援がかなり効いていると思います。しかしもちろん村は、わずかな予算の範囲内で事業を進めていますので、大きなことはできません。
しかし村も、自分達の財産・資産というべきものが景観の中にあるという認識自体は随分高まってきているものの、ではそれを守るための手だてを考えたときに、財政上の限界がある、理念を語れても現実とのギャップが大きすぎて手が出せないというジレンマが多分あるのではないでしょうか。
一時橿原市・高取町との合併の協議会があって、途中で明日香村が離脱し、最終的に話が流れたと記憶しているのですが、その辺りの経緯と、明日香法との関係があるのかどうか教えて下さい。
宮前:
法との関係は別として、まず明日香ブランドというのはやっぱりあるようです。
明日香村の方は自分たちのブランドはやはり自分たちで守りたい考えたわけです。そこで村民投票した結果、過半数が「合併しないで、誇りを持って村を維持し頑張っていく」という結果だったのです。今は行政改革もかなり進んでおり、助役・収入役も無くなり、村の組織もスリムになっています。
それがこのまま上手く行くのかどうかは、何年か経たないと多分答えは出てこないのではないかと思います。
明日香法は明日香村にどう受けとめられているか
行政の役割
鳴海:
明日香村の考え方
鳴海:
市町村合併協議と明日香村のアイデンティティ
土橋(大阪産業大学):
このページへのご意見はJUDIへ
(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai
学芸出版社ホームページへ