デザインによってできたこと
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投稿「デザインの力」

 

デザインとエコロジー

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 井上いく子さん。『CO2削減対策で自動車の削減策をおこなっています。道路は歩行者用、自転車レーン、路面電車と自動車用のレーンが整備されています』。

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 『街の中に駐輪場所が設置されており、こんなにカワイイガラスブロックで表示されています』。

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 『歩道の脇のバラッズは撤去され、歩道と車道の面はほぼツラになっていて変につまずいたりせず、すっきりと開放感があります』。

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 森重和久さん。『撤去・移動を前提とし、残材を極力減少させた歩行者用デッキ・和泉中央駅北側仮設歩行者用デッキ(大阪府和泉市)』。

 『まず条件の整理を行うと、・暫定施設で、将来撤去を安価で容易に行える工法 ・整備内でも土地利用により可変で移動可能であること ・安全快適でバリアフリーそしてデザインに優れたもの』。

 『具体案は、土を詰めた市場品のコルゲートパイプ(直径2m)を約10m 毎に並べ、その間を軽量化を図ったパイプトラスでつなぎ、歩面に木製(厚さ10cm)の角材を敷き並べる構造とした。コルゲートパイプ柱を並べ変えることにより可変性も可能であり、再利用はもとより撤去時は軽微な重機による解体も可能である』。

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 久保光弘さん。『熊野の神倉山麓の鳥居から頂のご神体ゴトビキ岩に至る階段です。鎌倉積みのこの階段は、エネルギッシュな鎌倉文化がどういうものかを表しています。これをみて現代文化の遺産として残せるランドスケープデザインは何かを問う必要があると感じた』。

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 『同じ熊野の野中の一方杉の写真です。細い階段を軸線として樹齢1000年の巨大な杉の列柱です。これは神社合祀令により著しく神社の森が失われた時代に南方熊楠の反対運動でかろうじて残りました。ここには、時間を織り込んだデザイナーの構想力とともにこれを評価し保全する力を感じる』。

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 『滋賀県マキノ町の2.4kmに及ぶ500本のメタセコイアの街路並木です。地域の人々に育まれ、新緑、深緑、紅葉、裸樹、雪花と四季折々の自然の姿を見せてくれます。

 以上の3枚で、時間を経て「神宿る」存在となるデザインもあるということを示したい』。


デザインと場所性

 次にデザインと場所性、文化性についての投稿です。

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 久保光弘さん。『震災復興新長田駅北地区東部で民民間のルール「いえなみ基準」により現れてきた屋根並みです。十分でないにしても普通の町において傾斜屋根は渾然とした景色をつくる重要な要素であることがわかります。建築をデザインする人は、ストリートを構成する建築としてもう少し屋根のデザインに力を入れてほしいと思っている』。

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 松川 奨さん。『パティオ大門・蔵楽庭(長野市善光寺)明治から大正時代に建てられた空いていた商家や使われていない土蔵、また立派な庭を備えた3階建ての空家屋等を取得し、既存建物の再生という形でテナントミックスの商業施設として再生された。今後、空洞化した商店街の活性化と観光客の回遊性の拡大や滞留時間の延長を期待される』。

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 『他の都市であれば間違いなく、ここから景観崩壊が始まっていた事だろう。それを住民がいけないと感じ、自分たちで守ろうとしたところと、既存建築の再生と伝統の昇華という所にデザインの力を感じた。特に自転車置き場などにその力を顕著に感じることができる』。

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 『建築外壁のデザイン(長野県信濃美術館)』。

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 『道のデザイン(中津川市馬篭宿)』。

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 『現代長屋をデザインする(京都市)』。

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 『長屋側面をデザインする(京都市)』。

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 『日本をデザインする(京都市)』。

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 山室浩一さん。『今津町街なみ案内板(滋賀県高島市)。中心市街地活性化事業において、高島市(旧今津町)の町並み景観を再生保存しその観光案内を目的としたサイン整備の事業コンペ』。

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 『限られたられた予算の中で、既製品のサインをデザインコンセプトにそって、グラフィックデザインで地域性とオリジナリティーを表現しました。照明については、既存の照明柱をしフォームしました』。

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 『ハードデザインを最小限に行い、カラー・グラフィックデザインでまとめた事例です。イニシャル・ランニングコストの軽減についての評価が高いようです』。

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 『千代田区町名由来板(東京都千代田区)。今津町街なみ案内板の整備と異なりハードデザインとグラフィックのデザインを融合させた独創的なサイン計画です。非常にモニュメンタルな意匠であるがゆえにサイン本体の視認性・認知性は高く、意匠・色彩もコンセプトにあわせて時代背景を表現しています。サイン情報の視認性は、意匠上若干劣りますがヒューマンスケールでの意匠デザインにより表示面の高さ等を適切に設定し、カバーしています。ただし、ランニング費用が高くかかる為、開発のスパンが短い都市部では、情報の更新等が課題になる事が考えられます』。

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 松田義郎さん。『大阪市・靭(うつぼ)公園の昼景の写真です。テーマ「デザインが何をしでかしたのか!?」。コメント「靭(うつぼ)公園も、はや50年が経過しました。この度リニュアルされましたが、あかり(灯り)の計画は・・・?」』。

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  藤谷 康さん。『京都御池通り。歩道には様々な物や色が溢れており、歩行者・自転車・車椅子に乗っている人など、物理的にも快適に通行している人はどのくらいいるのでしょうか。京都の御池通りは歩道全体がトータルにデザインされている数少ない事例だと思います』。

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 『神戸松本通り。歩道に設けられたせせらぎの清掃を通じて住民の人たちのコミュニケーションが深まったそうです。便利さ・快適さ・美しさだけではないデザインの力ではないでしょうか』。

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 難波 健さん。『1988年にオープンして18年目に入る。多くの疲弊するニュータウン施設の中にあって年を経てよくなっている数少ない空間だが、残念ながら利用の程度は低い』。

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 『いかにも充実した新都市の図柄。ただ、個々の経緯をみると、だれもこういう景観をデザインしてはいなかったのだが』。

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 『ワシントン村は健在である。このデザインを守ろうという人々の集まりが力となっていることを感じる』。


デザインとコラボレーション

 次はデザインとコラボレーションという事例です。

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 篠原 祥さん。『代官山ヒルサイドテラス。久しぶりの東京出張。空き時間を利用して今話題の「Oヒルズ」を訪れたが、その単調さ、まちなみに合わないスケール感、内と外の関係の無さに失望。沿道型開発の代表である代官山ヒルサイドテラスへ向かった。スケール感、内部空間と外部空間の関係性、共用空間(ポケットパーク、階段、通路など)のさまざまな変化など、とても魅力的である。建築家とデベロッパーによるデザインの力により実現できた空間だ』。

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 『元祖リバーカフェ"sunset37"。ここ2〜3年、春と秋には中之島周辺の河川上でリバーカフェが開催されるようになった。その元祖ともいえるものが2003年10月に大阪ドーム南側の尻無川で実施されたリバーカフェ"sunset37"である。民間企業有志による研究会が実験的におこなった社会実験でるが、テーブル、椅子、パラソル、照明、転落防止柵からスタッフのユニホームまで、徹底的にデザインにこだわった。そのことが成功の大きな要因であり、その後の動きにつながったのであろう』。

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 井口勝文さん。『アメリカ村・ビッグステップの大階段。道路から公開空地の広場を経て地下3階にいたる大階段を建物の中央に置いた。三角公園がアメリカ村のシンボル広場だった。そのすぐ近くにもうひとつのシンボル空間をつくる。そのことによってアメリカ村の求心的な構造を強化することをねらったものである。ねらい通り、大階段は街の魅力的なシンボルとして親しまれている』。

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 『ウエルブ六甲道・イタリア広場。JR 六甲道駅南地区再開発の中央公園の一部に国際コンペで実現したイタリア広場。芝生の広場と建築的な構造とが個性的なコントラストを見せている。建築群の求心的な配置がこれによって明快に表現された』。


デザインの創造力

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 三宅祥介さん。『オスカー・ニーマイヤー作、自然との力くらべ。だが環境と対比させる手法は、環境を壊さないことではじめて成立する』。

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出典:HUNDERTWASSER〜KUNSTHAUSWIEN,TASCHEN,2002 撮影:HUBERT KLUBER
 
 前田裕資さん。『Hundertwasser の集合住宅。ウィーンを歩いていたとき偶然見かけました。あの奇才の作品とは露思わず、ちょっと変わっているなあ、というぐらいです。写真で見るとハデハデしくえげつない感じですが、全然違います。奇抜だけども馴染んでしまうことが、デザインの力です』。

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 堤 肇さん。『集合住宅用地と隣接遊歩道を一体的にデザインすることにより、セキリティは確保されつつ、空間の広がり感が出ている』。

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 『蛇かごとU字側溝の壁。どこにでもある既製品の安い材料でも、デザイン次第でうまく利用できる』。

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 『暗くゴミ溜めとなりそうな、階段下空間もデザインすることにより、いい空間となっている』。

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 『東京のウォーターフロント。白を基調としたデザインによって、非日常的空間を演出している』。

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 岸田文夫さん。『パリの広場(パレ・ロワイヤル??)。記憶が定かではないので、広場の名前も覚えていないのですが、駐車場だった広場が人の広場に生まれ変わった例です。デザインの力というよりアートの力かも知れません』。

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 『靱公園バラ園。個人的には前のバラ園の方が好きですが、改装後は明らかに利用者が増えましたので、デザインに力があったということでしょう。特にカップルや小さな子どもを連れたファミリーが急増』。


デザインと感性

 次はデザインと感性という問題です。

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 玄道文昭さん。アニメやマンガの次のステップとして、日本の伝統的な文化をアレンジしたクールジャパンと呼ばれるものが流行っているというご指摘です。

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 田中 稔さん。『カタチを追求したのではありません。どこから見ても眩しくなく必要な所にやわらかな光をたっぷり届けるためのシステムです』。

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 『ヒトが登るからオブジェの屋根は三角にしなさいと役人は言いますが、それではデザインした意味がなくなってしいます』。

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 『大阪寺町に現れた「光のカフェ」です。葦(よし)を使った手づくりファニチュアと和紙のあかりが来訪者をもてなしました』。

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 岡 幸男さん。『港町リバープレイス。広場や公園等の照明は、機能やコスト重視で、高ポール照明を用い、広範囲の照度を確保する手法が多く、身近な感覚や歩く楽しさを演出する為には今ひとつ要素が不足している。照明柱の高さを2.5Mに設定し、目線の中に光のリズムが広がる様な照明配置を行う事で、身近で親しみ感のある光環境が表現できた』。

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 『壁面をアッパーライティングする事で、高速道路下の圧迫感が軽減され、光のリズムによって浮浪者対策にもなり、親しみ感が表現された』。

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 藤川敏行さん。『ほっとできる空間。御堂筋は銀杏の並木が美しいと言われるが、なかなか実感が湧かないという人が多い。大丸やそごうの前は銀杏並木が途切れてるし、歩道を歩いていても、銀杏並木以前に、自転車やバイクが多すぎるのだ。写真は歩道を歩いてて緑のトンネルを感じることのできる数少ない場所。連続していなくてもいい、ほっとできる空間を少しでもデザインできればいいのだが』。

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 『まちなみとの対話。御堂筋のような通りにも最近はカフェやレストランが大分見られるようになった。単に、窓越しに眺めたり、或いは欧州のそれを真似たようなオープンカフェもある。その中でも、まちなみとの対話が出来てるな〜、と最近気に入ってるのがここ。銀行のファサードなんて、どう考えても対話感がないんだけれど、足元をうまく使って、しかもまちなみとの関係の持ち方も、今までの方法とちょっと違うアプローチ。恥ずかしがらずに、一度コーヒーでも飲んでみると何か発見があるかも』。

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 『都市環境のデザインとは? 「大阪らしいところに行きたい!!」。 よく東京方面から訪ねてくる友人から受けるリクエストだ。大阪らしいって・・やっぱりコテコテな感じ?怪しげなお店がひしめきあってたりとか。それって、デザインじゃないと思うし、そうしようとも思ってもいないと思うけど、やっぱり連れて行った友人は満足してるんですよね。満足感が有るってことはOKってこと?ちょっと異質だと思いますが、敢えて投稿してみました』。

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 中村伸之の投稿。竹中工務店時代に出江 寛さんが担当したという噂のマンションです。真偽のほどは定かでありません。昔のマンションには手作り感があって、作り手の楽しさが感じられる良いデザインのものがあったなあ、思います。

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 里山再生現場のデザインです。リタイアしたおじさんたちが週末に集まって、設計図も無く、チェーンソーだけ製材から組み立てまでやって、快適なレストスペースを作っています。環境デザインの原点を見る思いです。

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