「際立たずおさまる」美しさか、「目立つ破調」の美しさか
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「破調の美しさ」は存在しない

 

 ここまでの話の中で、「破調の美しさ」「おさまる」「きわだつ」という三つの言葉がありました。今日、私は学芸出版から出していただいた「都市のデザイン 〈きわだつ〉から〈おさまる〉へ」という本の中で、「きわだつ」から「おさまる」という都市デザインの方向性を書いています。この内容と、先ほどの話から考えていきたいと思います。

 まず、破調の美しさというものはないと思います。われわれが美しいと感じるとき、そこにはいずれにしてもある種の調和があります。破調していても全体として「おさまって」いれば美しい、金澤さんの話はそう解釈してもいいのでしょうか。しかし今は、皆が「きわだつ」ことがデザインだと勘違いしています。その結果、破調しかない街になってしまいました。これは美しくありません。「都市のデザイン」で私は、そういう現状における「きわだつ」をやり玉に挙げています。デザインする行為はどんな場合も最後は「おさまる」ことを目標にするべきです。

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