ジャワ島中部地震 復興状況の報告
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震災2ヶ月後の状況

 

都市と農村の被災の程度

 実際いくつかの現地を見せて頂いて、その中で感じたことと、ガジャマダ大学で色々とお話を伺ったことからわかったことなどをご報告させて頂き、皆さんと一緒に考えていきたいと思います。

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位置
 
 ジャワ島の中央部に今回被害のあったジョグジャカルタ特別州とセントラルジャワ州という二つの自治体があります。このうち被害はジョグジャカルタ特別州に集中していました。

 ジョグジャカルタ市は、特別州の中心にあります。同じ州内にあるバントゥール県(Bantul)が、被害が最も大きかったところです。

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住宅被害状況
 
 世界銀行の報告書に、初期の被害およびその後の動きがよく整理されています。この資料はダウンロードでき、私もそこから出したものを使用しています。

 その中のデータを利用して作ったのがこの表ですが、見て頂きたいのは、全壊約15万戸の建物の都市別の被害密度です。

 面積あたりの被害密度では、ジョグジャカルタ市は狭い都市ですから、周辺の集落エリアに比べると被害密度が高いのですが、1戸当たり10人住んでいると考えた場合の人口あたりの被害密度を見ますと、ジョグジャカルタ特別州では建物の6割近くが被害を受けていると考えられますが、バントゥール県ではほぼ100%の建物が被害を受け、6割は全壊していると考えられます。

 被害を受けた集落地区では、面積密度は低いですけれども、やはり被害の程度が非常に大きいことがわかります。

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 では現地がどんな感じかというと、先ほどもおしゃっておられた通り、瓦礫の整理はずいぶん進んでいます。写真の場所に行ったのが震災後2ヶ月を経たころです。さきほど大野先生も紹介されましたが、瓦礫の中から、煉瓦は煉瓦、瓦は瓦、木材は木材ときれいに仕分けて、使えるものはもう一度使っていくという状況になっています。

 右下の写真も周りは壊れていますが、道はある程度綺麗になって通れるようになっているという状況です。

 阪神淡路大震災のときを考えてみますと、2ヶ月後というとまだ放置された被害建物が残り混乱していたと思うんですね。ようやく公費解体が始まって、ダンプが走り回って、息が苦しくなってと、そういう状態だったかと思います。

 震災2ヶ月後の芦屋と比べますと、かなり整理が進んでいる、落ち着いてきているという感じがしました。次の生活を始めていくという状況になりつつあるというのが、率直にすごいなと思いました。


インフラの復旧

 2ヶ月後の概況を報告書と合わせて見ますと、道路については、幹線道路網は比較的被害が小さく、ほとんど復旧が終わっていました。それから都市部、ジョグジャカルタ市内の道路もそれほど大きな問題は見られませんでした。

 集落内もほとんど瓦礫の撤去は完了しており、ある程度落ち着いてきているという感じです。瓦礫の除去処理によって、集落内では井戸の水質の悪化がかなり進んでいるようです。電気は復旧しているようですが、他はよくわかりません。報告書を読んでもよくわかりませんでした。


仮設居住

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仮設居住
 
 被災後の居住は、ほとんどがテントなどの仮設居住が基本となっており、主に海外のNGO、あるいはジョグジャカルタ特別州や中部ジャワ州以外の地方自治体からの支援も入ってきています。それから倒壊家屋の資材を再利用したものと、支援資材による自立仮設が進みつつあります。

 仮設居住にはいろんなものがあり、残った家にテント資材を使ってそのまま住んでいたり、竹を編んだシートを外壁がわりにくっつけたりと、色々工夫しながら仮設居住を始めています。

 またガジャマダ大学や民間などによる仮設住宅の提案が行われており、自力再建をベースにした復興の動きが始まりつつあるという状況でした。

 また農業についてですが、農地を見ると、ちょうど収穫期だったこともあって、収穫は一応終わっているようでしたが、やはり灌漑システムが壊れているという話を聞きました。


仮設提案

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仮設提案
 
 写真左上はガジャマダ大学が提案して具体化した仮設住宅です。

 また、イモギリ(Imogiri)では写真右下の人が提案した仮設が建てられていました。、テレビ会社が仮説提案のための資金を出したとのことです。各国が仮説建設に資金支援しており、いろんな仮設ができていました。

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支援テント
 
 テント型の仮説は、震災直後の緊急支援で設置されたようですが、先ほど大野先生もおっしゃっていましたように、この時期、乾期の暑い風土では、居住環境としてはあまり気持ちが良くないようです。テントよりは、残った住宅に竹を編んだシートを張った方が、快適性が得やすいようでした。

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