私は大阪産業大学都市環境学科の土橋と申します。デザインにも首をつっこんでいますが、もともとの専門は交通です。それからインターネットのご案内では「問題提起」と少し大げさに書いてしまいましたが、イントロダクションということで、ちょっと枕の話をさせて頂きます。
今日はわざわざ東京から、GK設計の宮沢さんにお越しただいております。つい最近、日本では久しぶりに新しい路面電車ができました。富山で2006年4月に新しくLRTと呼べるようなシステムが開業しております。
この富山のシステムは、後ほどまた詳しいお話がございますけれども、市民にも喜ばれて、たくさんの人が利用していますが、楽しみは後にとっておきまして、最初に公共交通と都市環境デザインについて、少し私が枕のお話をさせて頂きます。
もともと自動車が通っていた空間に電車を入れ、車道がなくなった分、歩行者の空間が豊かになって、街の中心に賑わいが戻っています。
今日は、最初に「交通手段と街の構造」ということで、なぜ中心市街地の衰退が言われ、それに対してLRTがなぜ着目されているか、その背景をお話します。
次にLRT「Light Rail Tranjit System」という言葉を最近よく聞くようになりましたが、これは単純に電車が綺麗になって快適になったというような事ではなく、この最後の“System”というのが重要なのだということをお話ししたいと思います。
それから、「いま、なぜLRTなのか」ということと、最後は「公共交通と都市環境デザイン」の関係についてお話しします。
はじめに
グルノーブルの路面電車/撮影=波床正敏(大阪産業大学)
これはグルノーブルの路面電車の風景です。ヨーロッパに行かれたときに見られた方も多いかと思いますが、ヨーロッパではLRTが見直されて沢山の街でこういった形で走っています。
このページへのご意見はJUDIへ
(C) by 都市環境デザイン会議関西ブロック JUDI Kansai
学芸出版社ホームページへ