分科会Cを担当したLEM空間工房の長町です。
朝まで生テレビ形式で、3時間みんなでわいわいやりながら行いたかったのですが、司会の力量不足でなかなか上手くいきませんでした。しかし、当日の議事録を読み解いてみると、都市環境デザインの日めくりカレンダーができそうなくらい、素晴らしい言葉・都市デザインにこめられた想いのフレーズがたくさんありました。今日は私のフィルターで当日のまとめとこの一年感じたことをお話しようと思います。
今回のフォーラムを立ち上げたとき鳴海先生から「デザインそのものを考えましょう」という言葉を頂きました。
分科会Cを通じで感じたこと
デザイナーの役割とは
都市環境デザインのメンバーは常々デザインの話をしているはずで、少々戸惑いました。私自身は照明デザインをやっているのですが、元々家電メーカーでプロダクトデザインをやりながら、照明を通じて建築、環境の分野に関わってきました。4月に3委員長でセミナーを行いましたが、この時点で考えていたことは、どのデザインジャンルでも、調査研究や実験、仮説、条件などの何らかのソフトを形(ハード)におとす作業、つまりSH変換が必要だということです。しかし、どうもこのテーマを料理することがなかなかできませんでした。
狭義のデザインにおいての志向性
悩む中で気づいたことに、デザインというカテゴリーは曖昧だということがありました。広義のデザインに対して、狭義のデザインというものは「〜デザイン」と、語尾にデザインという名前が付いていることが多いのです。また、そうした狭義のものが一般的にデザインとされ、トレンドの享受、マーケティング的思考、資本主義市場競争原理といった認識をされがちです。しかし、普段われわれのメンバーで考えていることを併せると、本質論、恣意性への警戒感、普遍性・恒久性・一般性への言及といった内容がぐっと強くなってくるのです。こうしたデザインのカテゴリーを考えることで数ヶ月を過ごしてしまいました。
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話し合いの中で出てきたことに、異なるプロジェクトが同時に進む、様々な人々が重なる、永遠に完成と未完成が続くといった内容があり、「レイヤー」と「時間」がテーマではないのかということになりました。
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都市デザインのレベルを左右する要因としては、デザイナーの力量、発注者と使用者の文化度や教養、思想・作法の有無、仕組みやシステムが考えられますが、実際に私たちが議論できることを話し合いたいと思い、デザイナーの力量と思想・作法の有無を探っていくことにしました。
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