路地からのまちづくり
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4。駒ヶ林1丁目での近隣住環境計画
(路地を生かしたまちづくり)へ向けて

 

 さて、今日のメインテーマである「近隣住環境計画〜路地を生かしたまちづくり〜」へ向けてでありますが、駒ヶ林町1丁目で2路線目の細街路整備が完成した前後から、構想に則った将来づくりのための具体策として、近隣住環境計画の作成を行政とコンサルタント側から提案しました。

 今は勉強会を重ねて、だいたい役員レベルでは、近隣住環境計画に同意されているという状況です。

 今後は権利者に個別に説明を行う予定にしております。それが来週(2007年2月末)くらいから始まります。その内容について後ほど狩野さんからお話します。


道路の位置付け

 さて、近隣住環境計画に至るプロセスですが、その前に、まず道路の位置付け・望ましい道幅の検討を皆でやりました。

 ワークショップでは、地図を前にして、2.7mの道幅にあたる札と、4mの幅の札を用意し、これを街に当てはめていったらどうなるかを検討して頂きました。

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道路の位置付け(案)
 
 そうして、駒ヶ林1丁目において4mないといけない道(図の赤)と、2.7mくらいでもいい道はどれだろうと皆で考えた結果、だいたい1街区に1〜2本くらい4mの道があったらいいんじゃないかという話で、皆さんの意見がまとまっております。

 ただし、案は後でまた変化していきました。それについては狩野さんからお話があると思います。


木造密集事業のエリア内の路地の整備計画の検討

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 こういった位置づけを踏まえて、木造密集事業のエリア内の路地で神戸市独自の細街路整備事業に基づく路地整備の計画を皆で考えましょうとなりました。模型をつくって建替えたらどれがどうなるといった事を皆で検討しました。対象となった路線は、一番南の街区の南西、4mと2.7mで構成されるT字型の路線です。ここにおいて理想的な路地整備のあり方というのはどんなものかということを、皆で話し合ったわけです。

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 最後は実際の素材を前にして、これくらいが2.7m、これくらいが4mといった具合に、幅も実感しながら、そこに素材を置いていくとどんな具合かを皆で一緒に検討しました。このように、実際に見て頂いて触って頂いて、そして皆で決めていくというやり方をしました。

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最終計画
 
 実際にできたのがこの最終計画案です。片側もしくは両側に雨水の側溝がついていて、残りの面を舗装していくという計画になっています。また、1路線目のときと同じように、真ん中から1.35mまでは一つの仕上げ、そこから先はまた別の仕上げにすることで、後退距離がわかるようにしてあります。

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整備前 整備後
 
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整備前 整備後
 
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 完成後、地域の皆さんに集まって頂いて完成イベントをしようということになったのですが、このときには1丁目だけではなくて他地区の皆さんにも来て頂き、まちづくりって具体的にどういうことなんだろうということを、現地を実際に見たり、話を聞いていただいたりして、確認していただきました。

 先ほどもありましたようなプレートの設置記念式典をしたり、軽食を囲んでの懇親会もやっております。

 また、他にも、駒ヶ林にはお好み焼きとはまた違うにくてんというものがあります。そこで、お好み焼きとにくてんの味比べをしようといったイベントも同じ日にしてみました。


近隣住環境計画の活用へ

 こういったことをしながら、ほぼ同時にこのT字型の路線を含んだ街区(駒ヶ林町1丁目の一番南の街区)での近隣住環境計画の検討を進めていこうということになり、勉強会を始めております。ちょっと難しい内容だったのですが、建築基準法上の道路でない道について知ろうとか、そういったことを皆さんと一緒に話し合いながら進めてきました。参加された方になるべく分かりやすい指標を使いながら、考えやすいやり方で検討に加わって頂いております。

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シールを貼った図
 
 例えば、今のままの路地とか、お気に入りの路地をシールを貼って決めたりというようなことをやっております。

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近隣住環境計画(案)
 
 で、そういった皆さんから頂いたご意見と、実際にそれが基準法の道路なのか、2項道路なのか、あるいは違うのかといった道路の現況を勘案した上で、最終的に出来た近隣住環境計画の案がこれです。

 この細かな内容については狩野さんからお話し頂きます。

 以上私の方から住民さんの活動についてお話をさせて頂きました。

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