都市にミュージアムは不要か?
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6。入館者数の推移

 

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入館者数の推移
 
 これは開館以来の入館者数の推移を示しています。

 実質的に動き出したのは平成3年からでした。開館時には3万人台の後半の来館者がありましたが、以降順調に落ちていきまして、震災直後の平成7年度で一番落ちているのですが、これはやむを得ないでしょう。で、再開してから少し挽回して、平成12年度に特異点があります。これはあのちょっと意地の悪そうな女の子のキャラクターで有名な奈良美智さんの展覧会を開催した年です。このときはすごくお客さんが来られたそうです。関連グッズもよく売れたと聞いています。このときが最高値で、その後ガクンと落ちます。

 そして実は16年度というのが、美術館が無くなるかもしれないという話が出た頃で、ちょっと皆が来てくれてピクっと上がりました。でも17年度に結果が出て、もうお金がないということでドスンと落ちています。

 平成17年度は合計で14,636人という数字でした。それを去年我々が受けて、18,797人に増えました。正直言いますと、最後の作品展で子供の親がわっときて、その分増えただけです。

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入館者数の推移表
 
 有料観覧者が前年度は6,200人いましたが、今年は3,797人しかおりません。この理由は、言い訳になりますが、要するにお金の取れる企画がなかったからということに尽きるわけです。その上でトータル18797人が来てくださったのは要するに無料の企画が多かったからなのかもしれません。僕らとしては無料でも来ればいいじゃないかと言いたいのですがね。

 何故かというと、芦屋の美術館の通常の入館料は300円ですから、仮に20,000人来られても600万円なんです。10万人でやっと3000万円になります。有料でも無料でもどっちでもいいと言えば語弊がありますが、有料入館者を増やす事がミュージアムの主目的ではないということです。問題なのは、美術館とはどういう施設であるべきかをしっかり理解し、そのことを共有することです。

 博物館法では基本的にミュージアムは無料で入れるということが前提になっています。ただ場合によっては、お金をとってもいいということになっています。日本のミュージアムは全て「場合によっては」という方を選択しているわけです。

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