都市にミュージアムは不要か?
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8。都市デザインとミュージアム

 

 最後に、都市デザインの視点から見たミュージアムの話もしておきたいと思います。

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文化ゾーンの妥当性
 最初にミュージアムの立地についてお話しいたしましたが、ここを文化ゾーンとして位置づける妥当性はあったのかと指摘しておきます。北側は戸建てを中心とする低層住宅地です。堤防があってその南は下水処理場やグラウンドがあります。航空写真で見るといろんなつながりがあるように見えますが、ゾーンとして見ると完全に分断されている立地なんです。従来の文化ゾーンである駅前のルナ・ホールとはどのような関係性が持てるのか疑問です。

堤防からのアクセス
 今言ったように、周辺は低層を中心とする住居系の用途地域ですが、我々としてはその中に賑わいを作りたいと思っています。駅からの南北の軸や芦屋川からの回遊動線を作りたいとずっと言っているのですが、道だけ作っても人の賑わいは生まれないわけで、沿道にどういう施設を張り付けていくかが重要になります。

 やはりおしゃれなカフェやケーキ屋を並べていきたいところですが、そういうことも今は全く出来ません。ただ南北の都市軸では出来るはずなので、我々も教育委員会マターではなく、都市計画局や商工部局と協力し合えたら、もうちょっといろんなことができるのではないかと考えています。

東西方向を含む公共交通ネットワークの再編
 これはバスのことですが、臨港線という東西方向を含む公共交通のネットワークが欲しいと思っています。

フリーライダーの排除、受益者負担
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付近のマンションのパンフレット・チラシより
 
 写真は北側に出来るマンションのチラシです。このマンションの周辺の住宅地は当然ながら反対運動をやっていましたが、チラシに堂々と「芦屋文化ゾーン、市立美術博物館前に誕生する誇りと喜び」と書かれていたことです。ということなら、積極的に来館いただき、運営などにもご協力いただきたいと思います。ともあれ、タダで使われるならフリーライダーは排除したいし、評価していただけるなら積極的に使っていただきたいと考えています。

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