鳴海:
冒頭に紹介しましたように、今年は京都の景観をテーマにフォーラムの準備を進めています。今日の景観法のお話もそれに反映させたいと考えています。
先ほど、共通言語の話題になりましたが、昔、伊藤ていじさんが「近代主義、モダニズムで行くと分かりやすいんだけど、捨てる物も多い。どうしたらいいんだろう」と言ったことがございました。70年代の初め頃だったと思います。
どういうことかと言うと、例えば生け花や作庭の技法を言葉で伝えることができないんですよ。自然素材を扱う技術をモダンな言葉で説明するのは難しいということで、飛び石をデザインする時にはプロポーションとかバランスなどの言葉以外の日本人の独特な感覚の言葉(例えば飛び石の「受け」という美意識)がございますので、それを伝えるにはどうすればいいかということです。日本の学校では、そうしたことを教えませんからね。そのうち、日本人からそうした美意識がなくなってしまうのではという恐れすらあります。そんなわけで、共通言語というのは私はとても重要だと考えているわけで、先ほど出た「和風」と言う言葉も同じ問題を含んでいるように感じています。
全体的なコメントとしては、今日は奥の深い問題ばかりでしたので、みなさんがそれぞれの話を参考にしながら考えて頂けるといいのではないかと思います。
佐藤さん、今日はわざわざ東京からお越しいただきありがとうございました。今日のセミナーはこれで終了します。
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