地方都市での「議論と合意」の景観まちづくり
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松阪市の紛争とまちづくりの経緯

 

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松阪市の町並み
 
 さて、ここからはもう一つの例として松阪市のまちづくりの話を聞いていただきます。松阪市でも、四五百森(よいほのもり)の高層マンション反対運動をきっかけとして、新しいまちづくりが進みました。

 松阪市も伊賀市と同様に三重県の中では戦災に遭わなかったおかげで、文化財も多く城下町の骨格が良く残っている町です。ただ、そうは言っても近年景観は変わりつつある状況で、本当に昔からの生活景を残していきたかったら、そろそろみんなでまちづくりを再評価していく必要があるという状況でした。

 そんな時期に市民が景観について考えるいいきっかけになったのが、この四五百森(よいほのもり)のマンション紛争です。四五百森というのはお城から連続している森で、市民にとっては幼い頃からいつも見ていた景観の中に、突然マンションができてしまったわけです。もともとは、森の中にあった個人住宅が売却され、それをマンション業者が買い取ったことからマンション紛争が生じることになりました。

 さらに、このお城を取り巻く地区には「御城番屋敷」という国指定文化財に指定されている下級武士の長屋があるのですが、そのすぐ横で低層2階建ての住宅が建ち並び、それも景観紛争になってしまいました。

 高層マンションと低層住宅の問題はほぼ同時に起きて、それを踏まえて景観紛争に対応するための景観計画がつくられたという状況です。

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