2人のデザイナーが語る「街のあかり」
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応募の経緯

 

■コンペに参加するまで

 先ほど皆様と一緒に歩きながら見ていただいた「御堂筋イルミネーション2009」は2010年1月30日まで開催されるイベントです。このイベントについて報告させていただきます。

 この「御堂筋イルミネーション2009」は、今回初めてこの規模で実施される大阪府の街路演出事業です。

 実施事業者は公募型プロポーザルという形で、イルミネーションに実績のある業者さんがデザイナーと組んでエントリーしなさいという募集方法でした。そして私に株式会社ハートスさんが声をかけてくださいまして、「一緒にコンペにエントリーしよう」と始まったわけです。

 御堂筋を自分たちの光でデザインしようと思って、まずやったことは現地の御堂筋のチェックです。改めてデザイナーの目で御堂筋を見てみると、びっくりするようなイチョウの姿に圧倒されてしまいました。樹木の力強いシルエットを目の当たりにしまして、「ここで一体何を提案したらいいんだろう」と思ってしまいました。ましてやこの御堂筋は、多くのJUDIメンバーのみなさまが直接関わって都市デザインを議論されているエリアです。また御堂筋に面したビルで働いている方々もおられるわけで、都市環境を手がけている人間としては、ここでめったなことは出来ないという場所です。


■事業の趣旨

 大阪府さんは募集要項でこのイルミネーション事業で何をしたいかを、次のように書かれていました。

     
     御堂筋イルミネーション事業は、地域資源の代表的な展示品(大阪ミュージアム構想の中で)である御堂筋をイルミネーションで装飾し、「OSAKA光のルネッサンス」との連携を図り、他都市を圧倒する景観を創出し、「光のまち」として国内外の人びとをひきつけ、にぎわいを創り出し、大阪全体の活性化を図るものです。
 
 こういった文言が社会の中で出ていくことはなく、現象ばかりが見えてしまうのが普通です。特にイルミネーションはエンターテインメント性がありますから、その部分だけがピックアップされがちなのですが、本来の目的はやはり街のにぎわいづくりであったり、都市の骨格になりうる魅力を創っていきたいという思いだったりするのです。デザイナーは、そうしたことを考え、示してくれといったことが書かれていました。

 1.2kmの長さで351本の4列になったイチョウがあり、ましてや御堂筋は大阪の大都市軸です。最初に思ったことは、そうした御堂筋の景観を活かす本質的なことが私にできるのかどうか。照明家としてそんな演出ができるか、どうしたらいいんだろう責任は重大だと思いました。

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