地域に学ぶ景観まちづくりの作法
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はじめに〜今までの経緯紹介

JUDI関西 中村伸之

 

■2008年フォーラム宣言を受けて

 最初にこれまでの経緯を説明させていただきます。

 2008年10月に都市環境デザイン会議関西ブロックは「京都の景観はよくなるか!? 〜デザイン基準から考える」というフォーラムを開催しました。当時はいわゆる京都市の新景観政策が施行されて1年経っていたのですが、それが市民にとってどういう意味があるのか検証していこうというフォーラムでした。

 このフォーラムでは、私たちの思いを
フォーラム宣言という形で提言をしたのですが、その一部に「地域から積み上げる景観まちづくりをやっていこう」という提言がありました。  景観法、景観条例は基本的に歓迎すべき内容なのですが、地域住民の立場からも主体的に関わっていかないと良いものができないのではないかという思いがありまして、地域のみなさんと一緒に考えるやり方はないものだろうか、言ったからには何かやってみたいと思っていました。

 ちょうどそのフォーラムの出席者でもある谷口さんに相談したところ、姉小路でやってみたら良いじゃないかという話になって、1年半ほど景観まちづくりの調査・研究という形で勉強させていただいております。

 地域から考えるデザインとはどういうものか、みなさんの合意を得ながら創意工夫で行うデザイン、町並みの修景とはどういうものかを試行いたしました。


■事前ヒアリング

 姉小路は古い建物もたくさん現存し、まちづくり活動では有名なところですが、実際にはいろんなタイプの家が建っており景観に関しては、まだまだ考えていくべき点が多いとうかがっています。町家以外の住宅もございますので、一体感のある町並みにしていくための修景デザインが必要です。建築協定が2013年までなので、それ以降どういう展開をしていくかを考えているということもお聞きしました。

 大型マンションに対する反対運動型のまちづくりからスタートし、大変なご苦労をされてきた地域ですが、景観条例による高さ規制が出来て、いったん運動が落ち着いたところです。これからは住民主体の創造的な地域運営、エリアマネージメント型のまちづくりの時期に入ってきていると思います。


■何をしてきたか

 さて私たちが行ってきたことを報告しますと、すでに町並み環境事業の実績があるところですから、それをふまえてこれからどんな町並み整備が出来るかという点についてシミュレーション写真を何ケースか作って納得できる形ができるか話し合いを行いました。

 それから、「シャッターの色彩も重要ですよね」という話題が出て、それに関するスタディもいくつか行いました。また去年は、姉小路をテーマにした灯り、シンボルマークについての学生コンペも行なっています。京都市景観・まちづくりセンターの助成を受けての色彩分析も行なっています。藤本先生が指導された京都市立芸術大学生によるまちかどサインのデザイン演習が姉小路を対象として行われました。

 その他、まちづくり通信の発行のお手伝い、まだ計画中ですが重要な景観要素となりうる街灯りの取替え実験なども考えています。

 本日は今申し上げた中からある程度形がまとまってきたものについて、報告させて頂きます。

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