司会:
さてそろそろ時間になりました。最後にこれだけは発言しておきたいという方はいらっしゃいますか。
横田(岡山県):
私は街なみ整備事業関連で設計の仕事を岡山で行っています。岡山でもこの整備事業を使って古い町並みの保存を以前からやっていますし、全国的にもこうした地域はたくさんあります。
私が手がけた地域でも古い家がどんどん消えていて、普通の町の中にある良い物がどんどんなくなっていくと感じました。古い建物が朽ちて廃屋になり屋根が落ちてくるのは、やはりとても寂しいことで、見るたびに心が痛みました。そうした中で、こうした事業を使って年間に1〜2軒やっていくだけでも、何年か経つと町は必ず良くなっていくのです。今日、姉小路の事例を見せていただいてもそれを実感しました。
ただ、岡山でやっていたとき、問題点としてあげられたのが「なぜ税金を使って個人の家を直すのか」という議論です。
実際に今は公共事業はどんどん圧縮されている時代ですし、こうした事業展開が難しくなっていると思います。しかし、私はまちづくりや町並み整備は地域の文化を創っていくことだと思いますし、個人の家を直しているのではなく文化を再生しているのだという主張をみんなで共有して、こういう制度を守っていく必要があるんじゃないかと感じています。
藤本:
今日は私も地元の方々の熱意を感じたところです。私が報告した色彩システムはあくまでもツールとして使うということを伝えたかったのです。専門家ではない普通の人たちがどうやったら家の色彩の判断がしやすいかという一つの試みであって、けっしてデジタル画像で出てきた色にしようという提案ではないので、そのへん誤解がないようお願い致します。
これを使って「どの範囲の色だったら許せるか」という話が出来たらいいと思っているところです。
町並み整備は地域の文化を創ること
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